キミ・ライコネン、史上最多出走記録と共にF1に別れ「あっという間の20年だった。たくさんの思い出ができた。永遠に忘れない」
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その特異なキャラクターと天性の速さ故に、パドックの誰からも愛されたキミ・ライコネンが、キャリア通算349戦という史上最多出走記録と共に20年間に渡るF1キャリアに終止符を打った。
惜しむらくは入賞で有終の美を飾りたいところであったが、クールなフィンはそんな事を気にしたりはしない。
F1アブダビGPで18番グリッドについたライコネンは、1周目に2ポジションアップを果たして順調に周回を重ねていたが、ブレーキに問題を抱えた事でターン6を止まり切れずバリアに接触。引退レースはリタイヤという結果に終わった。通算71回目のDNFだった。
キャリア最後のレースを終えたライコネンは「思うようなレースじゃなかったけど、今日はたくさんの人が感謝の気持ちを表してくれて嬉しかった」と語った。
「ピットストップを終えた後にクルマにテクニカルな問題が出てしまったんだ。それで今日は早めにレースを終える事になった。これもレースさ。時には上手くいかない時もあるけど、今日の結果が自分のキャリアに対する想いを変えることはない」
「普通に人生を過ごせるようになる事を嬉しく思っている。それに楽しみでもあるんだ。もちろん、長年に渡って出会ったたくさんの素晴らしい人達に会えなくなるのは寂しいけどね」
「20年はあっという間だった。良い事も悪い事も含めて、たくさんの思い出ができた。永遠に忘れる事はない」
ライコネンがセバスチャン・ベッテルと並び、グリッド上のドライバーの中で唯一の友と呼ぶチームメイトのアントニオ・ジョビナッツィは、自身のF1ラストランに際して用意したライコネンを称えるトリビュートヘルメットを2007年のF1ワールドチャンピオンにプレゼントした。
「今日は引退するキミの姿を見る事ができたし、チームが僕らのために色々してくれたから感情的になってしまった」とジョビナッツィ。
「彼は素晴らしく、本当に公平な人だった。F1コミュニティの誰もが彼がいなくなる事を寂しく思うだろうね」
笑うだけでニュースになる漢、キミ・ライコネンは優勝21回、表彰台103回、ポールポジション18回、フロントロー44回、ファステストラップ46回、入賞2回、ハットトリック2回、チャンピオン獲得1回の記録と共にF1に別れを告げた。