F1、低速走行防止の2024年新ルールを急遽撤回…バーレーンGP予選で導入予定も

バーレーン・インターナショナル・サーキット、2024年2月28日F1バーレーンGP開幕前日Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年シーズンのF1開幕バーレーンGP予選より導入される予定となっていた「不必要な低速走行」を防止するための新たなルールが急遽、取り止めとなった。

これに伴い、高速走行中の車両と、低速で走行する車両とがニアミスする事態を防止するためのルールは昨季のものが引き継がれる事となった。

バーレーン・インターナショナル・サーキットでの初日を前に、F1を統括する国際自動車連盟(FIA)のレースディレクター、ニールス・ヴィティヒは、マシン同士の危険な接近を予防するための新たな試みを明らかにした。

これは、予選中、あるいはスプリントまたは決勝レースに向けてピット出口が開放された後のレコノサンス・ラップにおいて、各マーシャリング・セクターおよび、第1・2セーフティーカー・ラインの各々において、少なくとも1回はFIA標準ECU(電子制御ユニット)が設定した制限タイム以内で走行しなければならないというものだ。

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バーレーン・インターナショナル・サーキットの第1セーフティーカーラインと第2セーフティーカーライン

従来もラップタイムの制限が設けられていたが、これはピットレーン出口から入口までの間を対象としたもので、新たな規定の導入により、より多くの箇所でドライバーの速度がチェックされる事となり、各車の間で大きな速度差が発生する可能性を更に低減する効果が期待されるところだった。

しかしながらイベント2日目のFP3を前にヴィティヒはこれを撤回し、昨年同様の速度チェック方法を継続すると通達した。

全てのドライバーは「スチュワードが認める例外的な状況」を除き、インラップおよびアウトラップを含む予選セッション中および終了後のラップにおいて、セーフティーカーライン間、つまりピットレーン出口から入口までの区間を対象としたFIAの指定タイムより速く走らなければならない。

2024年のF1バーレーンGP予選および決勝レース前のレコノサンス・ラップにおける指定タイムは1分54秒に設定された。これは昨年の同大会で設定されたタイムより1秒速い。

制限タイムより遅く走行したドライバーは「不必要に低速で走行」したと見なされ、スチュワードにより調査が行われる事になる。昨年のサンパウロGPではランド・ノリスと角田裕毅に戒告処分が下された。

なお「不必要な低速走行」はピットレーンにおいても禁止される。

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