2024年ル・マン:ポルシェがハイパーポール戦勝、トヨタは最終FP4で最速「上位目指す」と小林可夢偉

サルト・サーキットを走行する6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)、2024年6月12日FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レース予選Courtesy Of Porsche AG

2024 FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦となる第92回ル・マン24時間レースのポールを決するハイパーポールが6月13日(木)に各クラス上位8台によって争われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車(ケビン・エストレ、アンドレ・ロッテラー、ローレンス・ファントール)が最速を刻んだ。

6号車ポルシェ963のアタックを担当したエストレは最終ラップで3分24秒634をマーク。キャデラック・レーシング勢を抑えてポールポジションを獲得した。アレックス・リンがドライブした2号車キャデラックV-Series.R(アール・バンバー、アレックス・パロウ)は姉妹車を退けたものの、ポールには0.148秒及ばなかった。

前日の予選で最速をマークしたBMW MチームWRTの15号車はドリス・ファントールが担当するも、インディアナポリスのバリアに衝突して赤旗を招き、ラップタイムが抹消された。ハーツ・チームJOTAの12号車ポルシェ963はFP2の事故に伴うクルマの修復が間に合わず、セッションに参加できなかった。

Pos. No, Team
Car
Class
Driver Time Gap
1 6 Porsche Penske Motorsport
Porsche 963
HYPERCAR
ケビン・エストレ
アンドレ・ロッテラー
ローレンス・ファントール
3:24.634
2 2 Cadillac Racing
Cadillac V-Series.R
HYPERCAR
アール・バンバー
アレックス・リン
アレックス・パロウ
3:24.782 0.148
3 3 Cadillac Racing
Cadillac V-Series.R
HYPERCAR
セバスチャン・ボーデ
レンガー・ヴァン・デル・ザンデ
スコット・ディクソン
3:24.816 0.182
4 51 Ferrari AF Corse
Ferrari 499P
HYPERCAR
アレッサンドロ・ピエール・グイディ
ジェームス・カラド
アントニオ・ジョビナッツィ
3:25.156 0.522
5 50 Ferrari AF Corse
Ferrari 499P
HYPERCAR
アントニオ・フォッコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
3:25.598 0.964
6 35 Alpine Endurance Team
Alpine A424
HYPERCAR
ポール・ルー・シャタン
フェルディナント・ハプスブルク
シャルル・ミレッシ
3:25.713 1.079
7 14 AO by TF
Oreca 07 – Gibson
LMP2
P.J.ハイエット
ルイ・デレトラズ
アレックス・クイン
3:33.217 8.583
8 28 IDEC Sport
Oreca 07 – Gibson
LMP2
ポール・ラファーグ
ヨッフ・ファン・アルタート
レシャド・デ・ジェルス
3:33.827 9.193
9 65 Panis Racing
Oreca 07 – Gibson
LMP2
ロドリゴ・セイルズ
マティアス・ベシェ
スコット・ハファカー
3:34.053 9.419
10 23 United Autosports USA
Oreca 07 – Gibson
LMP2
ベン・キーティング
フェリペ・アルバカーキ
ベンジャミン・ハンリー
3:34.221 9.587
11 22 United Autosports
Oreca 07 – Gibson
LMP2
オリバー・ジャービス
ビジョイ・ガーグ
ノーラン・シーゲル
3:34.270 9.636
12 37 COOL Racing
Oreca 07 – Gibson
LMP2
ロレンツォ・フルクサ
マルテ・ヤコブセン
宮田莉朋
3:34.773 10.139
13 33 DKR Engineering
Oreca 07 – Gibson
LMP2
アレクサンダー・マッチュール
レネ・ビンダー
ローエンツ・ホー
3:35.699 11.065
14 10 Vector Sport
Oreca 07 – Gibson
LMP2
ライアン・カレン
パトリック・ピレ
ステファン・リチェルミ
3:35.855 11.221
15 70 Inception Racing
McLaren 720S LMGT3 Evo
LMGT3
ブレンダン・イルビ
オリー・ミルロイ
フレデリク・シャンドルフ
3:58.120 33.486
16 92 Manthey PureRxcing
Porsche 911 GT3 R LMGT3
LMGT3
アレキサンダー・マリキン
ジョーエル・シュトーム
クラウス・バッハラー
3:58.928 34.294
17 66 JMW Motorsport
Ferrari 296 LMGT3
LMGT3
ジャコモ・ペトロベッリ
ラリー・テン・フォールデ
サリ・ヨルック
3:58.938 34.304
18 77 Proton Competition
Ford Mustang LMGT3
LMGT3
ライアン・ハードウィック
ザカリー・ロビション
ベンジャミン・バーカー
3:59.443 34.809
19 27 Heart of Racing Team
Aston Martin Vantage AMR LMGT3
LMGT3
イアン・ジェームス
ダニエル・マンチネッリ
アレックス・リベラス
3:59.655 35.021
20 777 D’Station Racing
Aston Martin Vantage AMR LMGT3
LMGT3
星野敏
エルワン・バスタード
マルコ・ソーレンセン
4:02.787 38.153
21 82 TF Sport
Corvette Z06 LMGT3.R
LMGT3
小泉洋史
セバスチャン・ボー
ダニエル・ジュンカデラ
4:03.681 39.047
22 60 Iron Lynx
Lamborghini Huracan LMGT3 Evo2
LMGT3
クラウディオ・スキアヴォーニ
マッテオ・クレッソーニ
フランク・ペレラ
4:06.495 41.861
23 15 BMW M Team WRT
BMW M HYBRID V8
HYPERCAR
ドリス・ファントール
ラファエル・マルチェッロ
マルコ・ヴィットマン
0:00.000 0

LMP2クラスは14号車オレカのステアリングを握ったルイ・デレトラズがAO by TF Sportをポールに導いた。宮田莉朋擁する37号車クール・レーシングはクラス6番手という結果となった。

LMGT3クラスは、インセプション・レーシングの70号車マクラーレンをドライブするブレンダン・イルビが最速をマーク。星野敏がステアリングを握ったDステーション・レーシングの777号車アストンは6番手、小泉洋史擁するTFスポーツの82号車コルベットは7番手だった。

前日の予選でGR010ハイブリッド7号車(小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、ニック・デ・フリースの)がクラス最後尾の23番手グリッド、8号車(セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮)が11番手グリッドと決定したトヨタはハイパーポールに参加できず傍観した。

ハイパーポールと並び、この日行われた日中のプラクティス3でトヨタ勢はロングランに重点を置き、2種類のタイヤコンパウンド、異なる車両セットアップの比較などを実施。終盤に7号車の小林可夢偉が記録したタイムが5番手、8号車のブエミのタイムが8番手となった。

今週末、2度目の夜間走行となったプラクティス4では、序盤にハートレーが3分29秒451を刻んだ後、サルト・サーキットの一部で小雨が降り始めた。結果、他車に更新されることなく8号車がトップに立ち、7号車はロペスが最初のスティントで記録したタイムが10番手となった。

Courtesy Of TOYOTA MOTOR CORPORATION

サルト・サーキットのピットレーンを走行するトヨタGR010ハイブリッド8号車、2024年6月13日FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レース FP4

1日を振り返った小林可夢偉は「今日は本当に好調だった」としつつも、クラス最後尾グリッドであることを踏まえると、決勝レースは「厳しいものになる」と指摘。24時間に渡るレースでは「何が起こるか分からない」として、「いつもと同様に上位争いを目指す」と付け加えた。

クルマの仕上がりはまずまずのようで、ハートレーは自分達のクルマが「最速ではない」と認めつつも、「決勝レースで十分に戦える手応えを感じている」と述べ、GR010ハイブリッドについてロペスは「感触は凄く良い」と語った。

14日(金)には、186人の参戦ドライバー全員が参加する伝統のドライバーズ・パレードがル・マン市街地で行われる。

ル・マンで3度の優勝経験を持つTGRヨーロッパ副会長の中嶋一貴は、今大会のグランドマーシャルとして、15日(土)のスターティンググリッド、及びスタートセレモニーで重要な役割を果たす。

決勝レースは15日(土)現地16時、日本時間23時にスタートを迎える。

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