フェルスタッペンの母国F1オランダGP、復活またもお預けか…中止の可能性が浮上

ターン1からホームストレート側に向かって撮影されたザントフォールト・サーキットの航空写真Courtesy Of DTM

マックス・フェルスタッペンの母国F1オランダGPが再び中止を余儀なくされる可能性が浮上した。オランダ政府は7月26日(月)、EU域内における渡航制限及び国内でのイベント開催に関する新たな方針を発表した。

オランダGPは昨年、1985年以来の開催を予定していたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で中止を余儀なくされた。今季は第13戦として9月3~5日にザントフォールト・サーキットで開催が計画されている。

従来株より感染力の強いデルタ株が世界的に猛威を奮う中、オランダ政府はイベント業界との協議を経て、複数日に渡る大規模イベントの開催を禁止する措置を8月31日まで延長すると発表した。

これは業界団体の代表者が政府に対し、規制解除が見込まれていた8月後半予定の大規模イベントを「安全かつ責任を持って開催」する事が困難だと認めた事によるものだ。

なお、地元メディアの報道によるとF1オランダGPの現地プロモーターは、依然として観客をフル動員しての開催に自信を示しているという。

国内でのイベント規制が延長された一方で渡航規制は緩和された。感染者数は増加傾向にあるものの、政府発表によるとオランダ国内の成人の59%は2度のワクチン接触を終えている。

F1オランダGPを含む9月1日以降の大規模イベントの規制については、8月13日(金)に予定されている閣議で何らかの見通しが示されるものと見られる。

仮に無観客での開催が許可された場合も中止となる可能性がある。現地プロモーターは現時点で1日あたり10万人を超える観客動員を計画しており、無観客レースの開催には否定的で、昨年はそれを理由にキャンセルを決断している。

レッドブル・リンクで開催されたオーストリアでの2連戦にはオランダからのファンが大挙して押し寄せ、スタンドが一面オレンジ色に染まった。

同国内におけるフェルスタッペン人気は非常に高く、そのファンは“オレンジ・アーミー”と呼ばれており、2015年のスクーデリア・トロロッソでのF1デビュー以来、次期F1ワールドチャンピオン筆頭候補の23歳を応援するために世界中を転戦している。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

2021年7月04日のF1オーストリアGPで優勝したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンを祝福するオランダ人ファン

ザントフォールト・サーキットはアムステルダムにほど近いリゾート地にある歴史的なサーキットで、過去30回に渡るF1オランダGPの全てで開催を支えてきた。

1952年の第1回大会ではアルベルト・アスカリが優勝。直近の1985年大会ではニキ・ラウダが勝利を飾った。ザントフォールトで最も多くの優勝を誇るのは通算4勝を記録したジム・クラークだ。

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