増える履歴書、ニューウェイ離脱はレッドブルF1人材流出の”序曲”に過ぎないとザク・ブラウン
Published:
エイドリアン・ニューウェイの離脱についてマクラーレンのザク・ブラウンCEOは、「最初のドミノ」であるとして、レッドブル・レーシングにおける人材流出の序曲に過ぎないとの考えを示した。
レッドブルはF1マイアミGPの開幕に先立ち、現代F1において最も成功したデザイナーであるニューウェイが、2025年第1四半期を以てチームを離れると発表した。
ニューウェイの離脱がチームに与える影響についてマックス・フェルスタッペンは「劇的なものではない」と述べ、ピエール・ワシェ(テクニカル・ディレクター)やエンリコ・バルボ(エアロダイナミクス責任者)を含む技術設計チーム全体の力強さを強調したが、ブラウンによれば今後更に多くの人材が他チームに移籍する可能性があるという。
ニューウェイが自身にとっての「ファミリー」とさえ呼んだレッドブルとの関係に終止符を打つ決断を下した理由については定かでないが、噂では、不適切な行為があったとして女性従業員に告発されたチーム代表のクリスチャン・ホーナーを巡る騒動や、チーム内の権力闘争に嫌気が差したとの見方がある。
ニューウェイ離脱の知らせに驚いたか?と問われたブラウンは、こうした状況が決断の背景にあると仄めかし、マクラーレンには現在、レッドブルの従業員から多くの履歴書が送られて来ていると明かした。
「半年前なら私も驚いた事だろうが、今年の初め以降に起きたこと、そしてエイドリアンが本当に誠実な人物であることを踏まえると、彼が前に進むことに驚きはない」とブラウンは語った。
「あそこで起きている事は少し不安定だ。おそらくこれが最初のドミノ倒しになる事だろう。飛び回っている履歴書を思えば、私はこれが最後のドミノ倒しになるとは思っていない」
「あのチームから届く履歴書の数が増えている」
「エイドリアンは史上最も成功したデザイナーだし、彼がレーシングチームにもたらすものは技術的な側面だけではない」
「人々はエイドリアン・ニューウェイのような人物の下で共に働きたいと思うものだ。だから彼らは、彼がもたらす純粋に技術的な面だけでなく、彼のリーダーシップや彼と一緒に働くことで人々が得る興奮をも失うことになるだろう」
ニューウェイについてブラウンは「どんなレーシングチームにも付加価値を与える」存在であるとして高く評価したが、「絶対にないとは言わない」としつつも、現時点では獲得に興味はないと主張した。