”優れた人格者”であるベッテルのF1引退を惜しむ角田裕毅「それに僕とは違って…」
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セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)についてスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は「優れた人格者」である等として、2022年シーズン末でのF1からの引退を惜しんだ。
ジュニア時代に共に戦った経験があるわけでもなく、22歳の角田裕毅と35歳のベッテルとの関係は決して深いものではないが、両チームのマシンの競争力は拮抗しており、レースでは接近して走る機会が多かった。
昨年のサウジアラビアGPで角田裕毅はベッテルと接触。「少し無理をしてしまった」と反省の弁を口にした。グランドエフェクトカーが導入された今季はアルファタウリの競争力が低下したため、昨年以上に近い位置でレースをしている。
引退発表後に行われたF1第13戦ハンガリーGPの会見の中で角田裕毅はベッテルを「素晴らしい人格者であり、F1にとっての素晴らしいアンバサダー」と評し、今季末での引退を惜しんだ。
「何度か雑談を交わした事もありますし、少し悲しい気持ちがあるのは間違いありませんが、同時に本当にラッキーだったとも思います」
「アストンマーティンとアルファタウリが今年、かなり接近している事もあり、彼のすぐ傍で走れて本当に幸運でした。彼の後ろや前で走る事で、彼から多くを学ぶ事ができました」
「彼がF1での残りのシーズンを楽しく過ごせるよう願っています」
角田裕毅はまた、ベッテルがF1に残したレガシーについて問われると「クルマに関する知識のようなものでしょうか。僕とは正反対で、クルマの事をよく知っていますよね」と答えた。
角田裕毅は以前、ロシア・ウクライナ情勢をはじめとする社会問題などにおいて最も主導的な役割を果たしているのはベッテルであるとして、ドライビングというだけでなくコース外においても「凄くリスペクトできる一面を持っている」と語っている。
アルファタウリにとって今週末のハンガリーGPはアップグレード後のAT03を走らせる2回目の機会となる。角田裕毅は更なる前進に自信を示した。
「僕はポール・リカールのFP1で古いスペックを走らせた後、FP2で新しいフロアに切り替えました。全般的なグリップ感、特に高速コーナーで、その違いをはっきりと感じました」
「ポジティブであった事は確かですが、クルマのバランスをまとめるという点で少し苦労しました。ただそれでも明確な違いが感じられたのは良かったと思います」
「なので今週末を楽しみにしています。ポール・リカールで多くのデータを集める事ができましたし、今週は間違いなく全てをまとめられると確信しています」