ウィリアムズF1、15年来の「マクラーレン熟練開発ドライバー」を引き抜き―オリバー・ターベイ加入で開発力強化へ
Published:
FIA-F1世界選手権に参戦するウィリアムズ・レーシングは欧州現地1月22日、2025年シーズンに先立ち、開発兼テストドライバーとしてオリバー・ターベイを迎え入れることを発表した。
37歳のイギリス人ドライバーは今後、今年後半に稼働が予定されている最先端の「ドライバー・イン・ループ・シミュレーター」の開発を支援する役割を担う。また、その豊富な知識と経験を生かし、2026年型マシンの開発に向けたレギュレーション変更への対応や準備に関わる進捗の検証作業に取り組む予定だ。
ターベイはこれまで15年以上にわたり、マクラーレンの開発ドライバーとして英国ウォーキングの拠点でテスト業務を行う一方で、ル・マン24時間レースをはじめとする多くのレースに参戦し、モータースポーツでの経験を積んできた。
さらに、ケンブリッジ大学で工学を学んだという異例の学術的背景も持ち、F1やフォーミュラE、耐久レースといった幅広いカテゴリーでその開発能力を発揮してきた。
ウィリアムズのスポーティング・ディレクターを務めるスヴェン・スミーツは、ターベイの加入について次のように述べた。
「オリバーが持つ豊富な経験と専門知識は、我々のチームの成長にとって極めて重要だ。ハリソン・スコットにオリバーが加わったことで、現行マシンおよび将来のマシンの開発において、非常に強力なチーム体制が整った」
ターベイ自身も次のように述べ、意欲的なコメントを残した。
「ウィリアムズに加われることを光栄に思う。歴史と成功に彩られたこのチームに参加できるのは特別な機会だし、デイモン・ヒルがウィリアムズでワールドチャンピオンを獲得した瞬間を見て、カートを始めた頃からこのチームに憧れていた。アレックス(アルボン)とカルロス(サインツ)というトップドライバーと協力し、シミュレーターやレースセットアップを通じてチームの成功に貢献できる日が待ち遠しい」
ターベイの輝かしいキャリアは、2006年に「オートスポーツBRDCアワード」を受賞し、同年のフォーミュラBMW UK選手権で2位を獲得したことに始まる。2008年には英国インターナショナルF3選手権で総合2位に輝き、2010年にはマクラーレンの開発ドライバーに就任。2014年のル・マン24時間レースではLMP2クラス優勝を果たした。
さらに、2014-15シーズン終盤にはNEXTEVフォーミュラEチームに加入。その後、度重なるチーム体制の変更にもかかわらず同チームに留まり続けた。2025年シーズンには、DSペンスキー・フォーミュラEチームのリザーブドライバーを務める。
今回のウィリアムズへの加入により、ターベイはF1での開発業務と他カテゴリーでの豊富な経験を融合させ、チームの競争力向上に大きく寄与することが期待される。