またもVW…ウィリアムズF1、WRC連覇の立役者フランソワ=グザビエ・ドゥメゾンを技術責任者に起用
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F1世界選手権に参戦するウィリアムズ・レーシングは2021年開幕バーレーンGPを直前に控えた3月23日(火)、フランソワ=グザビエ・ドゥメゾンをテクニカル・ディレクターとして起用した事を明らかにした。
ウィリアムズは2019年6月にパディ・ロウが退社して以降、テクニカル・ディレクター不在の状況が続いていた。
”FX”の愛称で知られるドゥメゾンは過去10年間に渡ってフォルクスワーゲン・モータースポーツで手腕を奮ってきた人物であり、今後はヨースト・カピートCEO直属の部下として、設計と空力を含む技術部門の責任者を務める事になる。
カピートとドゥメゾンは共にフォルクスワーゲンで世界ラリー選手権(WRC)プログラムに関与していた旧知の間柄であり、再編目指すウィリアムズはフォルクスワーゲン・モータースポーツのキーマン達を立て続けにチームに迎え入れた。
今年2月1日よりウィリアムズの新たな最高経営責任者としての職務を開始したばかりのカピートはドゥメゾンを「彼は私が今まで出会った中で最高のエンジニアの一人」と評する。
「FXをチームに迎えることができて嬉しく思う。私は彼の能力を実際に見てきたし、スポーツにおける彼の成功がそれを物語っている。彼が持つ知識とノウハウは、再び勝利を懸けて争うという我々の野望達成に貢献してくれるはずだ」
ドゥメゾンはフォルクスワーゲン時代、2013年から2016年まで4年連続でWRCタイトルを独占した「ポロR WRC」の責任者を務め、パイクスピークやニュルブルクリンクで数々の記録を打ち立てた電気レースカー「ID.R」では技術開発を担当した。
「ID.R」はプロジェクトの承認からパイクスピークでの走行まで僅か6か月間しかなく、事前にテスト走行を行う事が出来なかったため、精度の高いシミュレーション技術が必要とされた。これはテストが削減される近年のF1に応用が効く。
ドゥメゾンはルノーとプジョーの両社でF1、ツーリングカー、WRCの各プロジェクトに携わった後、スバルのWRCチーフラリーエンジニアを務めた。2011年にフォルクスワーゲン・モータースポーツに入社すると、2016年にテクニカル・ディレクターに就任。全モータースポーツ・プロジェクトの総責任者を務めた。
ウィリアムズ家に代わり昨年8月に英国グローブのチームの新たなオーナーとなったドリルトン・キャピタルは、新たな技術レギュレーションが導入される2022年以降の大幅躍進を目指して体制再構築を進めている。