ヘルメットカメラが生み出す新次元!至高のオンボード映像はアロンソ目線のスパ走行…それともモナコを走るヘスケス308?

2021年のモナコ・ヒストリックで撮影された元F1ドライバーのジャン=ドニ・デレトラズによる1974年ヘスケス308のオンボードと、2021年F1ベルギーGPで撮影されたフェルナンド・アロンソによるスパ・フランコルシャンのオンボードcopyright FORMULA 1 / Louis Delétraz

F1はフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の協力を得て、ベルギーGPの2回目のフリー走行でファンに新たな境地を提示した。その驚異のオンボード映像はドライバーの目線に限りなく近く、これまでに類を見ないものだった。

バイザー内部に設置されたものと見られるヘルメットカメラが、2度のF1ワールドチャンピオン目線でのスパ・フランコルシャンを映し出す。

ラディオンやオー・ルージュ、プーオンやブランシモンといった名物コーナーを駆け抜けるその映像は、通常の車載カメラのそれとは異なるリアルさを備え、見る者に新しい感覚を抱かせる。

ラップ中にステアリングホイール上のダッシュボードに表示される内容も興味をそそる。映像ではディファレンシャルやエンジンモード等、様々なメッセージが引っ切り無しにポップアップ表示される様子が確認できる。

そのアングルは新鮮味溢れており既存のオンボード映像とは一線を画すが、史上最高と評価する前に見ておかなければならない映像がある。

それはCambox Mkv4 PROで撮影された2021年モナコ・ヒストリックでの以下のオンボードだ。

マシンはジェームス・ハントに3度のF1表彰台を授けた1974年のヘスケス308で、それを駆るのは元F1ドライバーのジャン=ドニ・デレトラズだ。

70年代にタイムスリップしてグランプリレースに参加しているかのような奇妙な気分に陥るが、同時にシミュレーターゲームをプレイしているようでもあり、何とも不思議な感覚に包まれる。

どちらが至高のオンボード映像にしろ、グリッドにつく全20台がこうしたヘルメットカメラを搭載したら…それはさぞかしスペクタクルだろう。

クラッシュに巻き込まれた際の安全性の確保等など、解決すべき課題が多いであろうことは想像に難くないが、F1には是非、ヘルメットカメラでのオンボード配信システムの開発に力を入れて欲しいと思う。実現すればファンの視聴体験は一変するはずだ。

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