WECトヨタ、悲願のルマン初制覇に向けて決意新たに…アロンソ「長年憧れてきた戦いがついに実現、感無量」
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フェルナンド・アロンソが長年に渡って思い描いてきたルマン24時間レース参戦の夢がついに実現の時を迎える。世界三大レース全制覇の野望を達成すべく、アロンソはF1と並行してTOYOTA GAZOO Racingから2018-2019スーパーシーズンのWEC世界耐久選手権にエントリー。6月16日(土)に迫った86回目の開催を迎える伝統のル・マン24時間レースに挑む。
「待ち望んでいたレースがついに始まる。準備は万全だ」とアロンソ。「このレースのためにチームと一緒になって懸命に努力してきた。僕にとって初めてのル・マン24時間レースになるわけだけど、ここまでの皆の頑張りに感銘を受けている。強い団結力を持つチームに加われたことを嬉しく思うよ」
「長い間憧れて続けてきたサーキットで戦いがついに実現する。感無量だよ。決勝レースへ向けたこれからの一週間は、僕の胸に深く刻まれるものになるだろうね。単にレースを戦うって事だけじゃなく、レース前のイベントや現地での盛り上がり、ファンの皆との触れ合いなどを含めて素晴らしい経験になるはずだ。それこそがル・マンの魅力だよ」
アロンソは、エンジンとハイブリッドで合計最大1,000馬力の出力を誇るTS050 HYBRID 8号車を、中嶋 一貴とセバスチャン・ブエミと共にドライブし総合優勝を目指す。トヨタはシーズン開幕戦のスパ6時間レースで1-2フィニッシュを飾り、20回目の挑戦となるル・マンへの挑戦に手応えを感じている。
TOYOTA GAZOO Racingはここ数年のル・マン24時間レースで悔し涙を流し続けてきた。2016年は首位を独走しながらも、残り2周で発生したトラブルにより手中に収めかけていた勝利を逃した。2017年はコースレコードを大きく更新する3分14秒791という圧倒的な速さでポールポジションを獲得するも、優勝を掴むことは出来なかった。
昨年ルマン史上最速のラップタイムを刻んだ7号車の小林可夢偉は、レコードには何の価値もないとバッサリ切り捨てる。「昨年、僕はル・マンの予選でそれまでの最速ラップの記録を塗り替えましたが、それは何の意味も持ちません。もちろん、最速ラップという結果は誇りですが、決勝レースでこそ結果を出したいと思っています。未勝利のル・マンで今回こそ大目標を達成したいと思っています。全力を尽くして24時間後のゴールを目指します」
今年のサルト・サーキットには安全面の観点から若干の変更が加えられ、1周の長さが3メートル程減少。そのため、可夢偉が残したコースレコードは、ル・マンの歴史に永遠に刻まれる事が決定している。
トヨタが優勝するのはほぼ確実との予想が大勢を占める中、8号車をドライブする中嶋一貴は絵空事だと一蹴。ノンハイブリッド勢との大接戦を予想している。「レースは毎年過酷です。予測が難しい中でひとつだけ明らかなのは、テストデーでの結果を見る限り、僅差での激戦になるだろうということです」
「我々がすべきことは分かっています。万全の準備を整え、決勝レースではいかなるミスも、故障やトラブルも無いように戦うということです。目標はいつものレースと同じです。常に冷静を保ち、ゴールを目指し戦い続けるだけです。目標達成のチャンスは絶対あると信じており、何としても実現する覚悟です」
ル・マンウィークは6月13日(水)の4時間に渡る公式練習走行で幕を開け、その後計3回の予選セッションを経てスターティンググリッドが決定。15日(金)はル・マンの旧市街でドライバーズパレードが行われ、16日(土)現地午前9時からの45分間のウォームアップ走行を経て、同午後3時に24時間に及ぶ長いレースの火蓋が切って落とされる。