セバスチャン・ベッテル、レーシングポイントF1との移籍交渉を開始…独紙報道

スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル、2020年F1シュタイアーマルクGPにてcopyright Ferrari S.p.A.

4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルが2021年のレースシートについてレーシングポイントF1チームとの交渉を開始した。独Bild紙が14日(火)に伝えた。まもなく合意に至る可能性があるという。

ベッテルは2015年にレッドブル・レーシングからスクーデリア・フェラーリへと移籍。マラネロを世界の頂点に導くべく6シーズンに渡って力を注いできたが、フェラーリは一方的に契約終了を決め、今季末を以てチームを去る事が決定している。

報道によると、ベッテルはセルジオ・ペレスの後任として、2021年よりアストンマーチンを名乗る英国シルバーストンのチームに移籍する可能性があるという。チームメイトはカナダの億万長者でチームオーナーであるローレンス・ストロール実子ランスだ。

ペレスは昨年、チームとの間で3年契約を締結しており2022年末迄はレーシングポイントにとどまるものと見られている。実際、オトマー・サフナウアー代表は先日のシュタイアーマルクGPの週末にベッテルの移籍の可能性を問われ「論理的に言えば我々のチームに空きはない」と答えている。

だが、チーム側はベッテルとの契約を熱望しているとみられており、契約解除の抜け穴を使う可能性が指摘されている。

伝えられるところによると、チーム側はペレスとの契約において今月末の7月31日までに行使可能な補償条項があるという。チーム側が「高額な違約金」を支払うことで満了を待たずに契約を解除できるようだ。

キャリア続投への意志を表明しているベッテルだが、チャンピオンチームのメルセデスはルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのラインナップを維持する見通しであり、古巣レッドブルやマクラーレン、ルノーのいずれにも空きのシートはない。競争力のあるチームでのキャリア続行を臨むのであれば、33歳のドイツ人ドライバーにとってレーシングポイントが最後の選択肢となる。

チームオーナーのローレンス・ストロールが英国高級自動車メーカーの株式を取得し会長の座についた事から、レーシングポイントは来季よりアストンマーティンを名乗る。メルセデス製F1パワーユニットを搭載する同チームは2戦を終えてコンストラクター4位につける高い競争力を発揮している。

ワークス参戦を果たす初年度にワールドチャンピオンを擁することはマーケティング的にも多くのメリットがあり、また、ランス・ストロールの教育係としての役割をも期待できるため、チーム側としても魅力的なオプションと考えられる。

ベッテルに残されたもう1つの選択肢としてはハースを挙げる事ができる。ギュンター・シュタイナー代表はベッテルが望むのであれば移籍を歓迎するとしているが、マシンの競争力と将来性という点ではレーシングポイントに分があると言える。

興味深い事に元ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、14日(月)に行われたServus TVの番組に出演し「パドックの舞台裏で行われている議論は、おそらくすでに終わっている事だろう」と述べ、ベッテルがアストンマーチンに移籍する可能性は高いとの見解を示している。

なおBildの報道から程なくして、独SkyとRTLテレビジョンも同様の内容を伝えた。

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