ノリスとの「友情」だけが気掛かりだった、とフェルスタッペン…”批判”眼中になく

ドライバーズパレードで話すマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)、2024年5月5日(日) F1マイアミGP(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)Courtesy Of Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、F1オーストリアGP後の最優先事項がランド・ノリス(マクラーレン)との関係修復であったと明かし、自身に対する批判は気にも留めていなかったと説明した。

フェルスタッペンとの接触により残り8周で優勝の望みが絶たれたのみならず、リタイヤを余儀なくされたノリスはレース直後、今回の一件が2人の友情に影響を与えるか?との質問に対して「もし彼が自分は何も悪くないと言うなら、尊敬は大いに失われるだろう」と答えた

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

レッドブル・リンクのターン4でポジション争いを繰り広げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)、2024年6月29日F1オーストリアGPスプリント

仕事とプライベートの別なく良好な関係を築いてきた両者は、いつもであれば同じ飛行機に乗って帰路につくものの、今回ばかりは別々の便でシュピールベルクを後にした後、レース翌日の月曜日に早速、話し合いの場を持った。

ノリスは事故から4日を経たイギリスGPの開幕前日に、レース直後の数々の発言は「過剰反応」によるものだったと認め、フェルスタッペンが謝罪する必要はなかったと考えを改めた

一件を巡っては、2021年のルイス・ハミルトン(メルセデス)とのタイトル争いの際に厳しい処分が科されてこなかったことが原因とマクラーレンのアンドレア・ステラ代表が主張したこともあり、フェルスタッペンのルール違反スレスレのアグレッシブなディフェンスは批判の的となった。

しかしながら、フェルスタッペンにとっての最優先事項はノリスとの関係維持であり、批判など眼中になかったという。

F1公式サイトによるとフェルスタッペンは「僕が唯一、気にかけていたのは、ランドとの関係を維持することだった。僕らは素晴らしい友人だからだね」と語った。

「レース直後は感情が高ぶっているから、少し冷静になるまで時間を置く必要があると僕は言った。月曜日にすぐ、話をしたんだけど、お互いにあのバトルは本当に楽しかったという結論に至った」

「事故についても振り返ったけど、あれは本当にくだらない些細な接触に過ぎなかった。もちろん、僕ら2人の結果に大きな影響は出たけどね。特にランドにとってはパンクの影響が少し大きかった」

「でも僕らは激しくやり合うレースが好きなんだ。僕らはこれまで、F1だけじゃなく、オンラインレースでも、何年にも渡って一緒に楽しんできた。好きなんだから続けていくべきで、それはF1にとっても良いことだと思う」

「僕らは99%の点で意見が一致した。かなり大きなことだと思う」

「僕はランドに、君がイン側やアウト側で仕掛けて来る際に、僕はわざとクラッシュするようなことはしないから信じてほしいと伝えた。逆の場合もね」

また、英AUTOSPORTによると自身への批判について問われたフェルスタッペンは、「そんなことはどうでもいい。家に帰って、自分の生活を送るだけだ。僕が気にかけていたのはランドとの関係だけだ」と答えた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を取り囲む大勢の報道陣、2024年7月4日F1イギリスGP

ジョニー・ハーバートを含むスチュワードはフェルスタッペンに「主な責任」があるとして10秒ペナルティを科したが、フェルスタッペンは自身のレースアプローチを擁護し、あらゆる限界への挑戦なくして世界タイトルを勝ち取ることはできないとの考えを示した。

「イン側やアウト側に飛び込まれると、誰であれ少しは反応してしまうものだし、僕は自分がやったことはどれも、酷くやり過ぎたものだったとは感じていない」とフェルスタッペンは語る。

「マシンの設計と同じだよ。ルールの限界ギリギリまで挑戦する。グレーゾーンを見つけることもある」

「でもクルマと同じで、それを利用しなきゃ一流のドライバーには決してなれないし、人生で成功することもないだろう」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

シルバーストン・サーキットのパドックに立つマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2024年7月4日(木) F1イギリスGP

今回は2人の友情に亀裂が入ることはなかったが、チャンピオンシップを争っていく中で、ライバルである他のドライバーとの友人関係を維持することは可能なのだろうか?

そう尋ねられるとフェルスタッペンは「ランドのことは分かってる…本当に良いヤツだし、F1が大好きで、情熱に溢れ、レースを愛している」とした上で次のように続け、レース直後にノリスが感情的になっていたのはやむを得ないと理解を示した。

「彼は2回目の優勝を狙って戦っていた。一方で僕は62回目の勝利を目指していたから、自然と感情も違ってくる。僕もF1で初の優勝を争っていた時はそうだった。だから問題ない」

また、レース中のノリスの仕掛けを「急降下爆撃」との表現で非難したことについては「自分自身の利益のために毎回、口にしていることだよ。彼がそうしたように僕もそうした。誰もがそれを理解している」と語り、スチュワードの介入を狙った発言に過ぎないと説明した。

さらに、この先、ノリスとはどのようにレースで競い合うのかという質問に対しては「全力でぶつかる。それが僕らの合意事項だ。だって僕らが求めているのはそれだからね。F1にとっても良いことだし」と答えた。

F1イギリスGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了