立場逆転…フェルスタッペン、父ヨスにアドバイス「成長を見守るのは楽しい」”義理の父”との関係も吐露
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F1ワールドチャンピオンとなった今、父と息子の立場は逆転したようだ。もはやマックス・フェルスタッペンがヨスから厳格な指導を受ける事はない。曰く、逆にドライビングのアドバイスを送るようになったと言う。
ヨス・フェルスタッペンが自らの人生を息子に費やし、マックスを類稀なF1ドライバーへと育て上げた事はよく知られている。苦難の日々は昨年、F1ワールドチャンピオンという夢の実現によって報われた。
2009年のル・マン24時間レース以来、目立ったレース活動が途絶えていたヨスだが、マックスの成長を機に昨年、趣味として楽しんでいたラリーに本腰を入れ、競技参加に向けて減量に取り組み始めた。
当初は11月のジャック・インターナショナル・ドレンテ・ラリーへの参戦を目指していたが叶わず、2月26日にベルギーで開催されたラリー・オブ・ハスペングーでDGスポーツのシトロエンC3 R5 Rally2マシンを駆り、念願のラリーデビューを飾った。
結果は52台中8位。引き続きDGスポーツに所属して、ベルギー国内選手権への参戦を計画している。
ラリーで第二の人生を歩み始めた父についてマックスは、自身の公式サイトで「彼の成長を見守るのは楽しいよ。それについて色々話ができるのもね」と語った。
「ラリーだけじゃなく、サーキットでプライベートなテストをする時も、どうすればもっと速く走れるか、お互いにアドバイスし合えるのが楽しいんだ」
通算17ポイント、キャリア最高ランキング10位のヨスにはもはや、世界王者となった息子に教える事はないのかもしれない。マックスは今や、自身が父に教える立場になったと笑う。
「もちろん、大抵は僕が彼にアドバイスをしているから、役割は多少変わったけどね!」
ヨスはつい先日、50歳の誕生日を迎えた。年を重ね、再びステアリングを握った父をマックスはどう見ているのだろうか?
「彼は今でも人生を楽しんでいるし、年齢は単なる数字に過ぎない。ラリーという新しい趣味を見つけて、それにエネルギーと情熱を注いで楽しんでる。それが彼にとって大事な事だと思うんだ」
「別に勝つ必要はないけど、それでも彼は最高の仕事をするために取り組んでる。そういう姿が見られて嬉しい」
キャリア絶頂期にフェラーリを去り、世界ラリー選手権(WRC)に転向したキミ・ライコネンのように、将来的にマックスもラリーに参戦したりするのだろうか?
「父のラリーカーを2回ドライブしたことがあるんだけど凄く楽しかった。でも僕にはラリーでレースをする必要はないし、ステージレースは彼に任せるよ」とマックスはその可能性を否定した。
マックスは父と同じ様に50歳になっても「たぶん」レースを続けるだろうとしながらも「趣味としてかな」と付け加えた。
「いつか他のカテゴリー、例えば2~3人の仲間とマシンをシェアするような耐久レースもやってみたいと思ってる。もちろん常に勝ちたいとは思っているけど、エンジョイすることもすごく大事な事なんだろうと思う」
マックスは2022年の開幕に先立ち、レッドブル・レーシングと2028年まで契約を延長した。つまり少なくとも31歳まではF1でのキャリアを継続する事になるが、既に世界の頂点を掴むという目標は達成した。何を目指し、何をモチベーションにキャリアを続けていくのだろうか?
「当然、もっとタイトルを獲りたいと思ってるけど、既に一番の野望は達成してしまったから、例えこれ以上チャンピオンシップに勝てなくとも、兎に角、良いレースをして楽しいシーズンが過ごせればと思っているし、自分達がやっている事を楽しめるようにありたいと思ってる」
「結局のところ、それが何よりも大事なことなんだ」
ガールフレンドのケリー・ピケの父、1981年、1983年、そして1987年の3度のシーズンでドライバーズチャンピオンに輝いたネルソン・ピケともレースの話をするのだろうか?
公式に籍を入れたという発表はないが、フェルスタッペンはネルソン・ピケを「義理の親」と呼び「彼の昔の話を聞くのが好きなんだ」と語る。
「レース以外の話もするよ。同じスポーツをやってきたからこそ、お互いの事をより良く理解できるんだ。プレッシャーについてもね」
「正直なところ、僕はこれまでずっと自分自身の家族と共に人生の全てを歩んできたから、義理の両親にも同じ話ができて嬉しくてね。みんなが分かってくれているから、自分らしくいられるんだ」