フェルスタッペン、メルセデスのボッタス批判を「本当に安易」と一蹴。ターン1逆転劇の真の原因は…

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レース後トップ3会見にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

F1メキシコGPでのターン1に向けたバルテリ・ボッタスの動きに対するメルセデスのトト・ウォルフ代表の発言についてレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは「本当に安易」だと批判した。

エルマノス・ロドリゲスでのハイライトは1周目のターン1だった。メルセデス勢は予想に反して予選でライバルを撃破し、最前列独占という最高のスタートポジションを得たものの、決勝では開始僅か十数秒で逆転劇が起きた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

2021年11月7日F1メキシコGP決勝レース1周目のターン1の様子

スケープゴートにされたボッタス

若きポイントリーダーは3番グリッドからスリップストリームを利用し、ターン1に向けてボッタスとルイス・ハミルトンに並びかけた。そしてアウト側から一気に2台を抜き去りトップに躍り出ると、その後は一度も接近を許さず逆転の今季9勝目を挙げ選手権リードを19点に広げた。

これはシルバーアローの指揮官を不機嫌にさせた。ウォルフはレース後「あれはあってはならない事だった」「マックスをアウト側に回り込ませるための道を開いてしまったように見える」とボッタスを批判した

ハミルトンもまたチームメイトの例の動きには批判的で、後に個人への批判ではないとしながらも、ボッタスのライン取りには問題があったとの考えを示している

Courtesy Of Daimler AG

メルセデスW12に乗り込むバルテリ・ボッタス、2021年F1メキシコGPにて

しかしながらフェルスタッペンは、こうしたメルセデスの見解は見当違いでボッタスは失意のスケープゴートにされたと考えている。

De Telegraafによるとフェルスタッペンは「余裕を持ってスペースを残さなければ(ボッタスは)ペナルティを受けていただろう」と語った。

「トトが何を言っているのか僕にはサッパリ分からない。バルテリのせいにするのは簡単だけど、それは本当に安易だと思う」

ターン1逆転劇の原因は蹴り出しか

逆転を許したのは、ターン1に向けたボッタスの動きに問題があったからなのだろうか? メルセデスのモータースポーツ戦略ディレクターを務めるジェームズ・ヴァウルズはそう単純には考えていない。

ヴァウルズはレース後恒例のデブリーフィング動画の中で、チームとしてボッタスのトウを利用してハミルトンをフェルスタッペンから守る戦略を練っていた事を明らかにした上で「結果的にバルテリはフェルスタッペンやルイスより若干スタートが悪かった」と説明した。

「大差はなく4メートル程であったが、ルイスは後ろにつく事ができなかった」

「更にフェルスタッペンのスタートが良かった事で、彼はあっという間にバルテリの横に並ぶ事となった。その結果、ターン1への進入に向けて信じられないほど早い段階で3ワイドになってしまった」

「バルテリもルイスも最適なラインを走っていなかった」

この結果、フェルスタッペンは高グリップのレーシングラインを走行し、路面がダーティーなイン側2台に対してブレーキングを遅らせる事で2台を抜き去った。

フェルスタッペン本人はライン取りの時点で既に勝負が付いていたとの考えを示しているが、ヴァウルズはそうは考えていない。

「例えそうであったとしても、ブレーキングでの差は数メートル程度であって、おそらく目にしたような違いは生まれない」とヴァウルズは指摘した。

「結局のところ、ドライバー達は各々が”ここならいける”と考えた場所でブレーキをかけたのだ」

「その後のフェルスタッペンのコメントを見れば、彼がターン1に向けて状況を推測してベストを望んでいた事は明らかだ。それは彼にとって上手くいった」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

2021年11月7日のF1メキシコGPでのマックス・フェルスタッペンの勝利を祝うレッドブル・ホンダ

F1メキシコGP特集

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