ホンダPUの応答性に不満訴え続けたフェルスタッペン、F1アブダビGPで何が起きていたのか?
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メルセデスの牙城での2位表彰台という好結果でシーズンを締め括ったマックス・フェルスタッペンだが、F1アブダビGPの決勝レース中には、ホンダF1パワーユニットのドライバビリティに不満を訴える無線が幾度となく流れた。何が起きていたのか?
「スロットルに幾つかトルクホールがあったんだ」レース後のトップ3会見で状況の説明を求められたフェルスタッペンはこのように語った。「反応が遅れてたって言うのかな。好ましい状態ではなかったけど、修正できなかったから問題を抱えたまま走行を続けた」
トルクホールとは何なのか?「ミスファイヤのようなものか?」との質問に対してフェルスタッペンは「いや、アクセルを踏んでも思ったようなトルクがかからなかったんだ」と説明した。
© Getty Images / Red Bull Content Pool、2位表彰台をチームクルーと祝うフェルスタッペン
好結果には違いないが、フェルスタッペンは優勝したルイス・ハミルトンから17秒遅れの2位と、著しく大きなギャップを許した。エンジンのドライバビリティの問題はリザルトに影響を与えたのだろうか?
「影響はなかった。ラップタイム的には失ったけど、今日は(トラブルがあろうがなかろうが)優勝することはできなかったはずだ」
繊細過ぎる感性故か、ソフトウェア上の課題なのか、それとも今季型のホンダエンジンが根本的に抱えている問題なのか。フェルスタッペンがエンジンの応答性に不満をぶつけたのは今回が初めてではない。特に、コーナーからの脱出の際にターボラグに苛立ちをぶるけるシーンが目につく。全く改善されていないのだろうか?
「ほとんどの場合、微調整レベルの問題だ」とフェルスタッペン。「今日の問題の原因に関しては、まだ正確には知らないんだ。無線で教えてくれなかったからね。他の連中に聞かれたくなかったんだと思う」
© Getty Images / Red Bull Content Pool、フェラーリを圧倒したもののメルセデスには圧倒されたレッドブル・ホンダRB15
フェルスタッペンは今年、オーストリア、ドイツ、ブラジルでの3勝を含めて計9回の表彰台を獲得。王者メルセデスの二人に続くドライバーズランキング3位でシーズンを終えた。来年はいよいよタイトル争い。フェルスタッペンはチャンピオンシップ制覇のために必要な要素として、シーズンを通してどのようなタイプのサーキットでも高い競争力を発揮し続けること、つまり一貫性が必要だと考えている。
「すごく良いシーズンだった」とフェルスタッペン。「何勝か出来たし、ポールポジションも獲得出来たんだからかなり良かったよ。シーズンを通してかなり改善したと思う。もちろんホンダもだ。それに関しては本当に満足してる」
「シーズン途中や終盤ではなく開幕戦から高いレベルを発揮するために、この勢いをウィンターブレイクに繋げてエンジンと車体双方を一層改良する必要があるけど、そんな事は分かっているし、もう既に取り組んでいる」
「僕らはメルセデスにかなり接近している。サーキットのレイアウトにも依るけど、僕らはシーズンを通して上手くステップアップ出来たし、事実、幾つかレースで勝利を上げた」
「とは言え、メルセデスに追いつくためにやるべき仕事があるのは確かだ。結局のところ、彼らはシーズンを通して支配的な強さを発揮していたし、最も一貫のあるチームだった。もちろん彼らとのギャップを埋めるために、あらゆる努力をするつもりだけど、当然簡単な話じゃない」