毎回バカを見る…なぜルクレールはサインツへの怒りを爆発させたのか?F1ラスベガス後に”Fワード”の嵐
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フェラーリのシャルル・ルクレールはF1ラスベガスGP後に、放送禁止用語を連発して僚友カルロス・サインツに対する怒りと苛立ちをぶちまけた。
両者は50周のレースを通して複数回に渡ってポジションを入れ替えた。最終的にルクレールは、3位表彰台に上がったサインツの後方、2秒の位置で4位フィニッシュした。
その後のインラップでのチームとの無線でルクレールが口にした”Fワード”は、少なくとも6回を数えた。
罵詈雑言のレース後無線
レースエンジニアのブライアン・ボッツィから、重量測定のために路面のタイヤかす(マーブル)を拾うよう指示されると、ルクレールは皮肉めいた口調で「ああ、いつも通り何でも言う通りにするよ」と返した。
ボッツィ「シャルル、君はやるべき仕事を果たした。ありがとう」
ルクレール「そうだね、そう、そう、そうだよ。仕事は果たしたさ。でもさ、そうやって従うと、毎回、毎回、僕がバカを見るんだ。行儀よくというより、(チームの指示を)尊重するとね。黙らなきゃならないのは分かってるけどさ…」
ボッツィ「シャルル、シャルル….」
ルクレール「…いつもこうだ。ああ、もうクソ!」
ボッツィ「分かった。でもとにかく…君はチームのために正しいことをした。ラバーを拾って戻ってきてほしい」
ルクレール「ああ、分かったよ。クソったれ、拾えって言うなら拾うよ」
その後、オンボード映像では、ルクレールがピットに戻る途中に両手でステアリングホイールを叩いている様子が映し出されていた。
ルクレール怒りの背景
ルクレールは第1スティントで自身のペースが落ち込んだ際、後方のサインツに道を譲る場面があった。だがルクレールによれば、これはチームオーダーに基づくものではなく、自発的なものだった。問題はピットイン後の状況にあるようだ。
第2スティントでサインツは、第1スティントでのルクレールと同じように急激なペースダウンに見舞われ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の猛追を受けていたルクレールを先行させた後にピットインした。
3周遅れでピットに入り、サインツの前方でコースに戻ったルクレールに対してフェラーリは、サインツにはオーバーテイクをしないよう、またプレッシャーをかけないよう指示したと伝え、タイヤマネジメントに専念するよう促した。だがサインツはその直後、ルクレールを抜いた。
これに対してルクレールは、無線を通して「スペイン語で伝えてみたらどうだ」と皮肉交じりに返した。
クルマを降りたルクレールは、「こういった不満は、誰もが納得できる理由があるわけじゃないし、細かい話に踏み込むつもりはない」として、詳細については口を閉ざしたが、「フラストレーションがあったのは確かだ」と認めた。
また、「チームがどちらか一方を優遇しているわけではない」と強調しつつ、「約束されていたことが守られないこと」にフラストレーションを感じたのだと説明した。
サインツとバスールの見解
一方のサインツもまた、チームの対応に不満があったことを明らかにした。
第2スティントでハードタイヤのグレイニングに苦しみ、幾度となくピットインを要請したものの、チーム側の対応が遅れた結果、ルクレールを先行させるのが遅れ、加えて自身も大幅にタイムを失ったと指摘した。
「僕は2〜3回、チームにピットインを求めた。そうすれば、シャルルを先に行かせたり、ルイスと戦ったりして、タイムを大幅にロスしないで済むと思ったからだ。でも、なぜかピットインできなかった」とサインツは説明した。
「結局、1周遅れでシャルルを先に行かせることになり、タイムを大きくロスした。しかも、ピットインしようとしたタイミングでまたしても入れなかった」
「だから、彼が不満を抱いているのは分かるけど、僕もあの時の対応には不満がある。今日はチーム内の誰もが満足していないと思う。みんなもっと良い結果を期待していたからね」
チーム代表のフレデリック・バスールは、ポジションを保証されていたにも拘らず、サインツに追い抜かれたことにルクレールが不満を抱いている可能性を認めたが、当時のルクレールはグレイニング防止の観点から、タイヤを慎重に温める必要があったと指摘した。
そして「誰にとっても本当に厳しい状況」であったことが問題の本質にあるとの考えを示し、この件についてはチーム内で話し合うとして「心配する必要は全くない」と強調した。
また、ルクレールが将来的にチームプレイヤーとしての役割を拒絶するようになるのではとの懸念に対しても「全く心配していない」と返した。
「結局、いつも同じ話になるんだ」とバスールは付け加えた。
「コメントするべきではないラップ中でも彼らは口を開いてしまう。ドライバーは常に全体像を把握しているわけではないのだ。これから話し合えば問題にはならない」
2024年F1第22戦ラスベガスGPでは、ジョージ・ラッセルがルイス・ハミルトンを率いてメルセデスに1-2フィニッシュを献上した。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は5位でフィニッシュし、史上5人目となる4年連続のチャンピオンに輝いた。