ストフェル・バンドーン、メルセデスAMGへの加入を発表…2020年のF1復帰目指す

HWAチームラボのストフェル・バンドーン、2018/19シーズン フォーミュラEプレシーズンテストにて 2018年10月16日copyright LAT/Formula E

次世代のF1の担い手として期待されながらも、僅か2年という期間でシートを喪失したストフェル・バンドーンは、2020年以降にメルセデス系のチームからF1に復帰し、再び4輪最高峰の舞台でレースをする可能性があると考えている。

マクラーレン首脳陣は、バンドーンの代わりに育成傘下のランド・ノリスとの契約を発表。26歳のベルギー人ドライバーはF1での活動の場を失い、2019シーズンはフォーミュラEへの参戦と並行して、メルセデスAMGのシミュレータードライバーを務めながら2020年以降のF1復帰を模索する。

「メルセデスのF1チームのためにシミュレーター作業を担当する事になる」とバンドーン。5連覇を達成した常勝軍団の一員となる事を明らかにした。「凄く楽しみにしてる。彼らはワールドチャンピオンチームだし、僕としてはF1との関係を保つ事が出来る。本当に興味深い」

「新しいアイデアをチームにもたらすことが出来るはずだ。それに、僕にとってはこれまでとは異なる経験を積むチャンスだ。F1ではマクラーレンとしか仕事したことがなかったからね。新たな環境でキャリアを歩むことにワクワクしてる」

バンドーンは2018/19シーズンのフォーミュラE選手権にHWAレースラボから参戦。同チームはメルセデスAMGの子会社であり、翌シーズン6からはワークス・メルセデスの母体チームとなる事が決定している。

「F1では何が起こるか分からない。F1界との関係をキープすることが良い事であるのは間違いない。素晴らしい仕事をすれば、メルセデスに自分の才能と実力を示す事ができる。この先のドライバーマーケットがどうなるかは誰にも分からないしね」

ダニエル・リカルドのルノー移籍を発端に、今年は例年以上にドライバーマーケットが大きく揺れ動いた。2019シーズンのF1のグリッドには、2名のルーキードライバーに加えて、一度はシートを失ったロバート・クビサとダニール・クビアトがカムバックする。

特にクビアトはトロロッソを追い出された後、フェラーリのシミュレータードライバーとしてF1での復帰を模索。一年後、見事その野望を達成した。バンドーンが将来的にF1に復帰する可能性は決してゼロではない。

「今シーズン(のマーケット)は、ちょっとクレイジーなレベルだった。だから来年がどうなるかは分からないし予想もつかない。F1とのパイプを維持することで、何が起きても対処できるよう準備を備える事が大切だ」

当初バンドーンはシミュレータードライバーではなく控えの座を掴む可能性もあったが、メルセデスは育成傘下のエステバン・オコンを2019年のリザーブドライバーに起用。来シーズン、ルイス・ハミルトンかバルテリ・ボッタスのいずれかに不測の事態が発生したとしても、バンドーンがステアリングを握る可能性はない。

バンドーンがメルセデス系のチームからF1にカムバックするためには、オコンを上回るだけの才能を持ち合わせている事を証明する必要がある。確かに可能性としては低いものの、シルバーアローの首脳陣は長年に渡ってバンドーンを高く評価している。

「彼はジュニアカテゴリー時代から飛び抜けた才能を発揮していた。私はストフェルのファンなんだ」とトト・ウォルフ代表。「彼がF1で上手くいかなかった理由を理解する必要があるが、私はストフェルの性格とスピードはメルセデスに上手くマッチすると考えている」

心機一転、バンドーンは12月15日に行われたフォーミュラEデビュー戦となるサウジアラビア・ディルイーヤE-Prixで予選4番手を獲得。ファンブーストでも35.55%の得票数を得てトップに立ち、一発の速さがある事を知らしめた。だが、45分+1周で争われた決勝レースでは突如ペース不足に陥り大きくポジションダウン。終わってみれば、17位でチェッカーフラッグを受ける事となった。

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