フェルナンド・アロンソ、”事故りそう”になり急遽リタイヤした後「ランダム」なルール運用を非難
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アルピーヌのフェルナンド・アロンソはアルファロメオの2台と再三に渡って接近戦を繰り広げ、都度のルール裁定に不満を訴えながらレースを戦った後「危うくクラッシュしかけた」事で49周目にリタイアした。
2度のF1王者はエンジン交換ペナルティによって19番グリッドにつき、かつてのタイトル争いのライバルであるキミ・ライコネンとホイール・トゥ・ホイールのバトルを展開した。
そんな最中の15周目、ライコネンがターン1のアウト側から仕掛けた際にサイド・バイ・サイドとなり接触した。ライコネンは縁石を乗り越え白線の外側に出た後、続く高速のS字に向けてポジションを奪取した。
この追い抜きにアロンソは憤慨。ライコネンは自身にポジションを返すべきだと訴えたが、スチュワードは審議を行わずに不問とした。
レースエンジニアのカレル・ルースからその旨を聞いたアロンソは放送禁止用語を織り交ぜながら「よし分かった。そんならコース上でやってやろうじゃないか。分かりきっている事だが、本当にクソみたいなルールだ」と吐き捨てた。
アロンソはその後、もう1台のアルファロメオを駆るアントニオ・ジョビナッツィを激しく追い回し、バックストレートで”コース外に出て”前に出ると「良し!やってやったぜ」と言い放ったが、5秒ペナルティを避けるために一旦ポジションを返上した。
最終的には、再び襲いかかった際にジョビナッツィがコース外に出てポジションを守ったため、25周目に明け渡される形でようやく11番手を手にしたものの、49周目に突如クルマをガレージに入れてリタイアした。
まだエキゾーストノートがサーキット・オブ・ジ・アメリカズ全体にこだまする中、早々にインタビューに応じたアロンソはリタイヤの理由について「リアウイングが壊れたんだ。最終コーナーで危うくクラッシュしかけた事もあってね。(高速の)セクター1で起きなかったのが幸いだった」と説明した。
「ミラーを見たらリアウイングが後方に曲がってたんだ。おそらくバンプか何かが原因だと思うけど。今日はクルマにとってかなり厳しい状況だったしね。詳しい原因はまだ分かっていないから分析が必要だ」
この日のレースでは、チームメイトのエステバン・オコンもリア側に何らかのトラブルを抱えたとの理由でリタイヤし、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)もリアサスペンションの故障によりチェッカーを受ける事なくレースを終えている。
エンストンのチームにとってはルノー時代の2019年ドイツGP以来のダブルDNFとなった。
なおアルファロメオ勢との一件についてアロンソは「ルールは少しランダムだ。そういうことさ。残念ながらアメリカのファンや皆は今日、彼らに相応しくないショーを見る事になってしまった」とレーシングスーツを脱ぎつつ改めて不満を訴えた。
「幾つかのインシデントがあった。多分見直してみる必要があるだろう。そのうちの2回ではペナルティを受け、1回では受けなかった」
10月24日(日)にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われた2021年F1第17戦アメリカグランプリ決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が通算18勝目を上げ優勝。2位はルイス・ハミルトン(メルセデス)。3位表彰台にはセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が滑り込んだ。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPは11月6日のフリー走行1で幕を開ける。