フォーミュラ・リージョナル日本開催に向け「童夢F111/3」が完成

FIAフォーミュラ・リージョナル規格の童夢F111-3の全体像

株式会社童夢が開発を手掛けた「童夢F111/3」が、岡山国際サーキットでのシェイクダウンを無事に完了した。「童夢F111/3」は、フォーミュラ・リージョナル(FORMULA REGIONAL certified by FIA)に適合したマシンで、同マシンを使用したFIA公認レースFORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPの2020年開催に向けて準備が進められている。

シェイクダウンは9月10日と11日に行われ、幅広いカテゴリでの経験豊富な加藤寛規選手と、フォーミュラ・リージョナル規定のアジアンF3に参戦している金丸ユウ選手がステアリングを握った。

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP事務局は9月27日に、SUPER Formula 第6戦が行われる岡山国際サーキットにおいて記者会見を行い、今後のスケジュールを発表する。

FIAフォーミュラ・リージョナルとは?

F1を頂点とするシングルシーター競技のヒエラルキーを再構築すべく、従来のF3に代わるカテゴリーとしてFIA国際自動車連盟が世界中で導入を推進。2018年に技術規則が批准され、すでにアジア、アメリカ、ヨーロッパでシリーズが開始されている。

前後左右に備わる衝撃吸収構造体や、ドライバーの頭部保護システム「ヘイロー」の設置など、FIAが設定した最新レギュレーションに準拠し。F1を頂点とするパワー・ウェイト・レシオによる新区分において、FIA-F4の直接の上位規格となる。

コスト面に関しては、車体が7万7,000ユーロ(約916万9,900円)、エンジンが2万3,000ユーロ(約273万8,400円)と、価格はFIAの設定した世界標準の規定価格(キャッププライス)となる。また、スペアパーツ等にもキャッププライスが適用されるため、従来のF3に比べて大幅なランニングコスト低減が可能となる。

童夢F111/3について

童夢はフォーミュラ・リージョナル規格策定の段階から参画。2018年に規格が批准されてから、直ちに「F111/3」の基礎設計を開始した。童夢は過去これまでに、鈴鹿レーシングスクールカーの専用車両、FIA-F4、F3、F3000、そしてF1に至るまで、規格のフォーミュラカー、スポーツカー、GT車両を開発・製造している。

「F111/3」は童夢にとって、2014年のFIA-F4規格車両「F110」から5年ぶりとなる新型モデル。モデルナンバーの後の「/3」は種目を表しており、今後、「F111」のサバイバルセルを利用した派生モデル展開が随時可能な設計になっているという。

F111/3は、FIAが今後導入を検討している人間工学ベースのデザインを先行導入し、体格の違いによる居住性の差異を低減することでドライバーの操縦性を向上。また、規定価格内で、高温多湿の日本のレース環境に対応するパワーユニット冷却性能、整備性確保を達成した。

カーボンファイバー(CFRP)製モノコックは、F110をさらに発展させたもので、高剛性化、軽量化に加えてヘイローの装着などFIAの定める高い安全性を両立。ボディワークも全てCFRP製で、徹底した構造技術解析と空力特性の追求により、レギュレーションで定められた最低重量650kgをクリアしながら、低重心で良好なハンドリング性能を実現した。

1750cc直列4気筒インタークーラー付きターボエンジンは最高出力270馬力を発揮。ギヤボックスは6速バドルシフト付きが装備される。

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