角田裕毅、得意コースで”期待に程遠い”16番手…開発の後押しなくパーツは破損

角田裕毅(アルファタウリ)、2022年7月1日F1イギリスGPフリー走行1Courtesy Of Red Bull Content Pool

スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は7月1日(金)に行われたF1第10戦イギリスGPの初日を16番手(1分30秒338 / 29周)で終えた。

ミッドフィールドの多くのライバルがアップグレードを持ち込む一方、アルファタウリは新たな開発パーツなしにシルバーストンでの週末を戦い抜かなければならない。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルファタウリAT03でシルバーストン・サーキットを周回する角田裕毅、2022年7月1日F1イギリスGPフリー走行2

過去に好成績を上げてきたシルバーストンで角田裕毅がタイムシート後方に沈んだのは、エアロパーツの損傷による影響もありそうだ。チーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは初日を次のように振り返った。

「今日は典型的なイギリスの天候で、FP1ではコースの3分の2がウェット、3分の1がドライに近い状態だった。つまりインターで走るにはドライすぎるし、スリックで走るにはウェットすぎたということだ」

「そのためFP1では学ぶことが少なく、FP2に向けて、予定していた走行計画を全て圧縮する必要があった」

「FP2では2台でタイヤを分けて走行を行い、決勝に向けてベストなタイヤを見極める事にした。2台ともグリップとバランスに苦しみ、両ドライバーとも満足のいく走りができず、データ上でも幾つかの問題が見受けられ、クルマがガレージに戻ると様々な空力パーツが酷いダメージを受けていた事が分かった」

「クルマは何とか持ちこたえてくれ、コースに留まり続ける事ができたが、パフォーマンスは期待とは程遠かった。明日に向けて原因を確認して、その対策のための変更を行う事になる。今夜は仕事が山積みだ」

「明日も移ろいやすい天候になりそうなので、もしかすると予選や決勝を前にしたドライでの走行は今日が最後という可能性もある。従って我々としてはFP3以降に向けて、より競争力のあるクルマをドライバーに提供する事に集中し、すべてをまとめ上げなければならない」

大きな一歩を踏み出す必要がある

角田裕毅
FP2: 16位 / FP1: 9位

新しい世代のマシンでここを走るのは今日が初めてでしたが、楽しくドライブする事ができました。高速コーナーを持つこの難しいサーキットを新車で走るのは本当にエキサイティングで、特にマゴッツとベケッツでは昨年のマシンよりも更にプッシュする事ができ、スライドも多かったです。

雨のためにFP1で殆ど走れず、まだ1回しかセッションを終えていないような感じなので、その意味で少し変わった1日で変な気分ではありますが、FP2では必要な周回をすべてこなす事ができました。

今週末が難しくなるであろう事は分かっていましたが、実際、今はクルマにかなり苦労しており、ライバルチームから大きく離されてしまっています。

予選で競争力を発揮するためには大きな一歩を踏み出さなければなりません。明日はコンディション的にトリッキーな1日になりそうなので、今夜はデータを洗いざらい見直して、ブリティッシュ・ウェザーがどう転んだとしても対応できるように準備を整えていきたいと思います。


2022年のF1イギリスGP初日をトップで締め括ったのはカルロス・サインツ(フェラーリ)。2番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)を0.163秒差で退けた。3番手には0.176秒遅れでランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。

3回目のフリー走行は日本時間7月2日(土)20時から、公式予選は同23時から1時間に渡ってシルバーストン・サーキットで開催される。

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