最終ミニセクターでのタイムロス…メルセデスは「ハミルトンに勝つな」とボッタスに命じたのか?
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Q3での1セット目のアタックを終えて暫定ポールに立っていたのはバルテリ・ボッタスであったが、最終的にF1トルコGPで予選最速を刻んだのはチームメイトのルイス・ハミルトンだった。
メルセデスが1-2を独占するであろう事は、初日の結果から”かなり確かであろう状況”であったが、他の週末とは異なり、イスタンブール・パークでの週末の予選順位が持つ意味は少なくなく、チームがボッタスではなくハミルトンの1番手を願っていた事は疑いない。
ハミルトンが4基目のICE(内燃エンジン)投入で10グリッド降格を受けるため、ボッタスにしてみれば1番手だろうが2番手だろうが大きな違いはない。
だがハミルトンの場合は1番手であれば11番グリッドとなるが、2番手であれば12番グリッドと、順位の違いが日曜のレースでの仕事量に直結する。メルセデスにはボッタスにチームオーダーを出す動機があった。
ボッタスは最終アタックの最後の3つのミニセクターでタイムをロスした。ボッタスはその時点まで自己ベストを繋ぎ続けてリードを築いていた。
メルセデスから「ルイスを打ち負かさないようにスローダウンするように言われたのか?」と問われたボッタスは次のように述べ、チームオーダーの存在を否定した。
「いや、スローダウンするように言われたわけじゃない。僕は間違いなくポールを目指していた」
「最終セクターでフロントエンドに少し苦労していまい、ターン12と14でアンダーステアが出てしまったんだ。そこで少しタイムをロスしたんだと思う」
「多分、ラップの序盤にタイヤを使い過ぎてしまったんだと思う。僕はポールを獲るために全力を尽くしたよ。間違いなくね」
予選ではチームからの指示はなかったようだが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に対するハミルトンのチャンピオンシップにおけるリードは僅か2点に過ぎない。
決勝では状況如何によってチームオーダーが出る事は避けられないと考えられるが、ボッタスはあくまでも優勝を目指してレースに臨むと意気込んでいる。
「凄くやる気に満ちてるよ。今シーズンはまだ優勝していないから、それがかなり大きなモチベーションになっているんだ」とボッタスは語る。
「とは言えレースでは集中して一歩一歩前進していかなきゃならない。集中力を保ってベストを尽くしたい」
「マックスが隣からスタートするし、(後続の)フェラーリも今週末は調子が良さそうだからタフなレースになると思うけど全力を尽くすよ」
「僕らには素晴らしいレースカーがあるし、僕は自分のレースに集中してミスなく前に居続けるだけだ。戦略も大事だけど、僕は自信を持っているし、仕事をやり切るのを楽しみにしてる」
チーム代表を務めるトト・ウォルフは、ボッタスが優勝を望んでいる事は承知していると認める。
「バルテリは週末を通じて好調を発揮しており、明日に向けて絶好のチャンスを掴んでいる。彼が優勝を狙っているのは明らかだが、それはルイスの助けにもなる。全力を尽くしてくれるだろう」
2021年 F1トルコグランプリ決勝レースは、日本時間10月10日(日)21時にスタート。1周5,338mのイスタンブール・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。