楽観する角田裕毅「採るべき方向性は分かっている」高負荷のF1ハンガリーGPに自信
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欧州高速3連戦を経て迎える「壁のないモナコ」とも評されるハンガロリンクでの週末に向けて角田裕毅(RBフォーミュラ1)は、「採るべき方向性は分かっている」と楽観的だ。
角田裕毅はオーストラリアGP以降の7戦のうち6戦でポイントフィニッシュしてきたものの、カナダでは残り5周での痛恨のスピンにより入賞を逃し、スペインで幕を開けたトリプルヘッダーではイギリスで1点を獲得するに留まった。
英国でのグランプリを終えてはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)に参加。セルジオ・ペレス解雇の噂が飛び交う中、レッドブルRB18とホンダRA272をドライブした。チームから要請があったのだろうか、FoSが公開したRB18での走行動画は後に削除された。レッドブルのF1マシンを走らせるのは今回が初めてだった。
2014年のハンガリーGPウィナーのダニエル・リカルドが「シルバーストンと比べて遥かに遅く、そして暑い」と語るように、ハンガロリンクは高速3連戦の舞台とはコース特性が大きく異なる。
うねるように続くタイトな低中速コーナーが主体で、最大ダウンフォースレベルのパッケージが持ち込まれる。最高速度は時速300kmを少し超える程度に過ぎず、F1カレンダーの中で最もトップスピードが低い部類に属する。
今年のモナコGPで8位入賞を果たした角田裕毅はハンガリーGPに向けて「良い週末を過ごせるだろうと楽観的に考えています」と語る。
「先週はシミュレーターに時間を費やしました。チームはシルバーストン以来、本当に懸命に仕事に取り組んでくれています」
「ほとんどのコーナーが低速~中速域で構成されているハンガロリンクでクルマのパフォーマンスを向上させるために採るべき方向性は分かっています」
「この時期のブダペストはかなり暑く、コース上では絶えずステアリングを操作しなければならないため、一息つく暇もありません。身体的に厳しい週末になると思いますが、競争力を発揮できると期待しています。準備は万端です」
昨年のハンガリーGPではシーズン最高となる路面温度53℃を記録した。リアのトラクションが求められるハンガロリンクでは、レースのみならず予選でもタイヤをオーバーヒートさせぬようマネジメントすることが求められる。
特に最も柔らかいC5コンパウンド(ソフト)を使ったシングルラップでは、タイヤを過熱させず、グリップを残した状態で最後の2つの180度コーナーにアプローチする必要がある。
レーシング・ディレクターを務めるアラン・パーメインは「予選でC5からグリップを最大限に引き出し、50度を超えることもある路面温度の中、14のコーナーすべてでそのグリップを維持することが課題の一つになる」と指摘する。
「クルマのセットアップとしては、低速コーナーでの優れたフロントエンド、ツイスティーなミドルセクターでの鋭い方向転換、そしてスタート・フィニッシュストレートに向けてクルマを押し出す最終2コーナーでの優れたトラクションが必要だ」