アルボンが”批判”に負けず結果残した一方、フェルスタッペンはPUトラブルでDNF「失望の極みだったはず」とレッドブル代表
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F1第9戦トスカーナGPは、レッドブル・ホンダの指揮官であるクリスチャン・ホーナーにとって「ほろ苦い」週末となった。2年目のアレックス・アルボンがキャリア初表彰台を獲得して、その成長ぶりを示した一方、エースのマックス・フェルスタッペンは、パワーユニット(PU)トラブルのためにリタイヤを喫した。
アルボンのレースは全く以て順風満帆ではなかった。赤旗の度に行われたスタンディングスタートからの1周目に相次いでポジションを落とし、その度に自力で這い上がって行かなければならなかった。
ホームストレート上での複数台のクラッシュにより振られた最初の赤旗からのリスタートでは、4番手から一気に7番手にまで後退。残り12周でのリスタートも4番手からスタートしたものの、ターン1までにセルジオ・ペレスに交わされた。
だが表彰台への執念に燃えるアルボンは、その都度上へ上へと這い上がっていき、残り8周を迎えたターン1でダニエル・リカルドをオーバーテイク。そのまま3位でチェッカーフラッグを受けた。
59周のレースを振り返ったクリスチャン・ホーナーは「ほろ苦い一日となったが、アレックスがF1での初めて表彰台に上がる姿が見られて最高だ。彼は週末を通して見事な仕事を続けていたからね」と語った。
「何度かリスタートで順位を落としたために、フィールドを切り抜けるために厳しい競争相手との戦いを強いられたが、素晴らしい仕事だった」
「否定的な意見や外部からの批判にも負けず、自らの力で一流のパフォーマンスを披露してみせた。今回の表彰台は彼に自信を与えてくれるだろう」
片方のガレージがポジティブな雰囲気に溢れた一方、もう片方は「失望の極み」だったようだ。フェルスタッペンがトラブルのためにレースを諦めたのは、開幕オーストリアGP、第8戦イタリアGP、そして今回のムジェロでの第9戦と今季で3度目だ。
開幕戦では機械的なトラブルがPUの電気的な問題を引き起こし、前戦と今回はPU関連という事だけが分かっている。田辺豊治テクニカル・ディレクターは今回のトラブルについて「ファクトリーで調査中」と言う以外に明らかにしていないが、クリスチャン・ホーナーは「電気系統のトラブル」と口にしている。
「残念なことに、マックスは予選を非常に有望なパフォーマンスで締め括り、期待を胸にレースに臨んだものの、その実力を発揮する事なくレースを終える事となった」とクリスチャン・ホーナー。
「素晴らしい蹴り出しを決めて前を行くルイス(ハミルトン)に並びかけたものの、その後パワーが失われてしまい中団グループ内に飲み込まれ、後ろから追突された事でグラベルの中でレースを終える事となった」
「パッケージの仕上がりは良く、今日に向けて万全の準備を整えていただけに、彼にとっては失望の極みであった事だろう。二度とこの問題を起こさないために、ホンダとチームがこの問題を調査している」