2019年 新車発表直前特集:トロロッソの歴代F1マシンを振り返る
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トロロッソ・ホンダ2代目のマシンとなる2019年仕様の新車「STR14」が、日本時間2月11日(月)22時30分にオンライン上で発表された。新車発表をより一層楽しむために、ハイブリッドターボ時代にスクーデリア・トロロッソがF1に投入してきた歴代マシンとその成績を駆け足で振り返ってみたいと思う。
2014年 STR9 / ランキング7位
- シャシー
- STR9
- エンジン
- ルノー・エナジーF1-2014
- ドライバー
- ジャン=エリック・ベルニュ
ダニール・クビアト - ランキング
- 7位、30点
- 最高位
- 6位 / シンガポールGP、ベルニュ
1.6リッターV6ハイブリッドターボ初年度。フェラーリからルノーへとエンジンパートナーを変更して臨んだ2014年のマシン「STR9」。当時のトロロッソのF1マシンは本家レッドブル・レーシングとカラーが類似しており、識別するのが難しかった事が懐かしい。
この年は3シーズン目を迎えたジャン=エリック・ベルニュと、ダニエル・リカルドの後任として新しくチームに加わったダニール・クビアトのコンビ。クビアトは開幕オーストラリアで9位フィニッシュを果たし、当時の最年少入賞記録を塗り替えてみせた。
2015年 STR10 / ランキング7位
- シャシー
- STR10
- エンジン
- ルノー・エナジーF1-2015
- ドライバー
- マックス・フェルスタッペン
カルロス・サインツ - ランキング
- 7位、67点
- 最高位
- 4位 / ハンガリーGP、フェルスタッペン
ラインナップを一新し、新人二人を起用した2015年のシャシーは「STR10」。当時17歳のマックス・フェルスタッペンと、同じく20歳のカルロス・サインツがトロロッソからF1デビューを果たした。
フェルスタッペンは前半戦こそ凡庸な成績に終わったものの、第10戦ハンガリーGPで4位入賞の快挙を果たすと、以降は一貫して入賞を重ね続け、最終的に10度の入賞を記録。計49ポイントでランキング12位を獲得し、鮮烈なデビューを飾った。
サインツの方は不運なトラブルに見舞われた事が大きく響き、計18ポイントで15位と奮わなかったものの、予選成績ではフェルスタッペンを圧倒し、印象的なデビューイヤーを過ごした。
2016年 STR11 / ランキング7位
- シャシー
- STR11
- エンジン
- フェラーリ 060
- ドライバー
- マックス・フェルスタッペン
カルロス・サインツ
ダニール・クビアト - ランキング
- 7位、63点
- 最高位
- 6位 / バーレーンGP他
レッドブルとルノーとの関係悪化により、エンジン確保が危うく参戦継続の危機に立たされた2016年。チームは交渉の末、型落ち2015年スペックの「フェラーリ 060」を確保し「STR11」に搭載した。
レッドブルでの2シーズン目の迎えたクビアトが粗相を連発。中国GPとロシアGPで立て続けにセバスチャン・ベッテルに追突し、チームはフェルスタッペンとクビアトを入れ替える決断を下した。
性能面でパワーユニットに大きなハンデを背負っていたにも関わらず、サインツが10度の入賞を果たすなどして、前季と同じコンストラクターズ7位を死守してみせた。
2017年 STR12 / ランキング7位
- シャシー
- STR12
- エンジン
- ルノー R.E.17
- ドライバー
- カルロス・サインツ
ダニール・クビアト
ピエール・ガスリー
ブレンドン・ハートレー - ランキング
- 7位、53点
- 最高位
- 4位 / シンガポールGP、サインツ
相次ぐ交代劇のために4人がステアリングを握った2017年仕様の「STR12」は、最新仕様のルノー製パワーユニット「R.E.17」を搭載した。
シーズン途中でルノーへのレンタル移籍が発表されたサインツがチーム得点の大半を叩き出し、不安的なドライバーラインナップによるマイナス面をカバー。計53ポイントでコンストラクターズ7位を守りきった。
後半にデビューを果たしたピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは無得点。チームとしても二人がマシンに慣れる事を優先。金曜フリー走行では、できる限り走行距離を稼ぐためのプログラムを組んだ。
2018年 STR13 / ランキング9位
- シャシー
- STR13
- エンジン
- ホンダ RA618
- ドライバー
- ピエール・ガスリー
ブレンドン・ハートレー - ランキング
- 9位、33点
- 最高位
- 4位 / バーレーンGP、ガスリー
ホンダエンジンを搭載し、チーム創設初のワークス待遇となった2018年のシャシーは「STR13」。ホンダとの契約締結が遅れたためにマシン開発が間に合わず、STR12をホンダエンジン用にレイアウト変更するのが精一杯であった。
更に、テクニカル・ディレクターを務めていたジェームス・キーが年度途中で離脱。真っ当にシーズンを戦えるだけのマシンを用意することは出来なかった。
ハイライトは第2戦バーレーンGPの4位入賞。このレースでガスリーは、レッドブル昇格に大きく前進。ルノーへの移籍が決定したダニエル・リカルドの後釜として、2019年のレッドブルデビューを決めた。
ガスリーが度々健闘をみせたものの、性能に劣るシャシーではライバルに太刀打ちすることは難しく、トロロッソは2012年以来となるコンストラクターズ9位に終わった。