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2019年F1世界選手権第5戦スペインGP公式予選が5月11日にカタロニア・サーキットで行われ、週末を席巻していたメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが、1分15秒406のコースレコードを樹立。中国GPからの3戦連続となるポールポジションを達成した。
驚異的と評するに相応しい速さを示したボッタスは、2番手につけたチームメイトのルイス・ハミルトンに対し、コンマ6秒という異次元レベルのギャップを築いた。セカンドロウ3番手には、トップからコンマ8秒遅れでスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。4番手にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが続く結果となった。
アップグレードによって戦闘力を大幅に引き上げたハースへの苦戦が予想されていたものの、フェルスタッペンはハースの2台のみならず、跳馬シャルル・ルクレールを5番手に抑えた挙げ句、ベッテルに対して1000分の85秒差に迫ってみせた。
予選は晴天に恵まれ、セッションを経る毎に路面温度が上昇した
他のホンダエンジン勢は、徐々に帳尻を合わせつつあるピエール・ガスリーが6番手。トロロッソはダニール・クビアトがQ3進出を果たして9番手。アレックス・アルボンは惜しくも最終ラウンドに進めず、12番手という結果に終わった。
午前のFP3は雲に覆われたものの、午後の現地バルセロナには青空が戻り、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温20℃、路面30℃のドライコンディションでスタートした。カタロニア・サーキットは統計的に予選順位が極めて重要で、過去28レースの内25回がフロントローからの優勝。選手権でのリード拡大に向けて、ボッタスがこれ以上ない好位置を確保した格好となった。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、高速の左コーナーを持つカタロニアに対して、最も硬いレンジのタイヤセットを投入。ハードにC1、ミディアムにC2、ソフトにC3コンパウンドを用意した。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはソフトタイヤが指定された。
予選Q1:ヒュルケンベルグが痛恨の敗退
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、開始直後にルノーのニコ・ヒュルケンベルグがターン4でクラッシュしてイエローフラッグ。フロントウイングを破損したものの、自力でコース上に復帰した。
その後、2度のアタックラップを行ったが、15番手ギリギリのラインでQ1突破を果たしたチームメイトのダニエル・リカルドに1000分の19秒届かず、16番手でノックアウトを喫した。自動車メーカーの看板を背負って立つワークスであるだけに、Q1敗退は許されざるリザルトと言える。
レーシングポイント勢は、セルジオ・ペレスがQ2へと駒を進めた一方で、ランス・ストロールは9戦連続でのQ1敗退。ウィリアムズは、FP3でのクラッシュに伴いジョージ・ラッセルのギアボックスを交換。5グリッド降格ペナルティが確定する中、ロバート・クビサを抑えて19番手タイムを記録した。
ノックアウト
- ニコ・ヒュルケンベルグ
- ランス・ストロール
- アントニオ・ジョビナッツィ
- ジョージ・ラッセル
- ロバート・クビサ
予選Q2:カタロニア無敗のサインツが初の敗北
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、メルセデス勢がギアアップ。ハミルトンとボッタスが立て続けにコースレコードを塗り替え、15秒台に入れ込んだ。
ルクレールは縁石に乗り上げ、車体底面付近のパーツを破損。7番手タイムに止まったため、2度目の走行を強いられた。暫定3番手のベッテルと4番手のフェルスタッペンはガレージに留まり、1度のアタックのみでQ3突破を果たした。
全車1回目のアタックラップを終えて、トロロッソホンダの2台はノックアウト・ゾーン。アルボンは2回目のラップで自己ベストを塗り替えたものの、ミスによってコンマ2秒近くを失い12番手。クビアトは8番手タイムでQ3進出を果たした。
マクラーレンのカルロス・サインツは、一度たりともこのサーキットでチームメイトに遅れを取った事がなかったが、セクター3で痛恨のコースオフ。13番手に留まり、11番手ランド・ノリスに先行を許した。
Q3進出の可能性が高かったサインツとアルボンがミスを喫したことで、ルノーのリカルドにチャンスが到来。絶望的と思われたQ3に向けて1周をシッカリとまとめ上げ、1000分の39秒差でノリスを抑えて進出を果たした。
ノックアウト
- ランド・ノリス
- アレックス・アルボン
- カルロス・サインツ
- キミ・ライコネン
- セルジオ・ペレス
予選Q3:頭一つ飛び抜けたボッタス
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、後手に回っていたハミルトンが先陣を切ってコースイン。16秒台フラットで2番手タイムを記録するも、後続のボッタスがコンマ6秒が回る15秒406でコースレコードを更新。驚異的な速さを見せつけた。
1回目のランを終えて、ベッテルはコンマ8秒落ちの3番手。フェルスタッペンはコンマ9秒落ちの4番手と、ポール争いを早々に諦めざるを得ない状況となった。1セットしか残っていないルクレールは1回目のランを見合わせ、他車がガレージインした残り5分でコースイン。単独でタイム計測を行い、5番手タイムを記録した。
照りつける日差しのために路面コンディションが悪化したか。2回目の最終アタックでは自己ベストを塗り替えるドライバーは現れず、ボッタスのポールポジションが確定した。
なお10番手につけたリカルドは、前戦アゼルバイジャンGPで発生したクビアトとのインシデントに伴い、日曜の決勝レースで3グリッド降格ペナルティを受ける。
シーズン5戦目のF1スペイングランプリ決勝レースは、日本時間5月12日(日)22時10分からスタート。1周4,655mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。
2019年F1第5戦スペインGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:16.979 | 1:15.924 | 1:15.406 | 18 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:17.292 | 1:16.038 | 1:16.040 | 17 |
3 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:17.425 | 1:16.667 | 1:16.272 | 18 |
4 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:17.244 | 1:16.726 | 1:16.357 | 12 |
5 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:17.388 | 1:16.714 | 1:16.588 | 19 |
6 | 10 | ガスリー | レッドブル | 1:17.862 | 1:16.932 | 1:16.708 | 17 |
7 | 8 | グロージャン | ハース | 1:18.042 | 1:17.066 | 1:16.911 | 16 |
8 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:17.669 | 1:17.272 | 1:16.922 | 15 |
9 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:17.914 | 1:17.243 | 1:17.573 | 20 |
10 | 3 | リカルド | ルノー | 1:18.385 | 1:17.299 | 1:18.106 | 19 |
11 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:17.611 | 1:17.338 | 14 | |
12 | 23 | アルボン | トロロッソ | 1:17.796 | 1:17.445 | 14 | |
13 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:17.760 | 1:17.599 | 12 | |
14 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:18.132 | 1:17.788 | 14 | |
15 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:18.286 | 1:17.886 | 12 | |
16 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:18.404 | 7 | ||
17 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:18.471 | 9 | ||
18 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:18.664 | 8 | ||
19 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:19.072 | 8 | ||
20 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:20.254 | 9 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 20℃ |
路面温度 | 30℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1スペインGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | カタロニア・サーキット |
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設立 | 1991年 |
全長 | 4657m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |