メルセデス、F1スペインGPでの”更なる前進”を期待「進むべき方向性と答えを得た」とウォルフ
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メルセデスAMGペトロナスF1チームのトト・ウォルフ代表は、マイアミでの週末の取り組みを経て「進むべき方向性と答え」が見えたとしており、F1第6戦スペインGPで更なる進歩を遂げる事ができると考えているようだ。
チームが認める通り、”ゼロポッド”の導入によりポーパシングが悪化したW13はコンディションの変化に対して脆弱に見える。ジョージ・ラッセルはマイアミGPの初日にタイムシートのトップに立ったものの、予選と決勝では定位置に後退した。
シルバーアローの指揮官はマイアミでの週末を振り返り、自らのマシンを「3番目に速い」と称し、金曜フリー走行では「マシンのポテンシャルの高さを垣間見ることができた」と強調する。
チームは初開催の新サーキットに低ドラッグ仕様のリアウィングと新型のエンドプレートを含む改良型フロントウイング、そしてビームウイングを持ち込んだ。
ウォルフは導入したアップグレードを元にセットアップ作業とテストプログラムを行った事で「進むべき方向性と答え」が得られたと説明した。
スペインGPの舞台、カタロニア・サーキットは、メルセデスが冬季テストの際に従来型のサイドポッド・パッケージを走らせていた場所だ。バーレーンテストで導入された”ゼロポッド”との比較検証をする上でこれ以上ない舞台と言える。
苦戦続きで改善の兆しが見えない中、ウォルフ代表は”革新的”とまで言われた”ゼロポッド”を見限り、旧仕様の空力コンセプトにロールバックする可能性を除外しておらず、スペインGPはメルセデスにとって今後に向けての分岐点となる可能性がある。
「マイアミで得たデータをバルセロナでの改善につなげるために、ファクトリーでは膨大な量のハードワークが行われている」とウォルフは語る。
「クルマは当時と比べて大きく進化してはいるが、バルセロナは冬のテストの会場だからクルマの相互関係を比較するにはもってこいの場所であり、また一歩前進できるのではないかと期待している」
「バルセロナはオールラウンダーなコースだから、クルマのあらゆる性能が試されることになる。もともとオーバーテイクに適したコースではないし、刷新された2022年型F1マシンがコース上でどのようなパフォーマンスを見せるか興味深いところだ」
「バスケットボールで言えば第1クォーターが終わったところだ。これまでに学んできた事をパフォーマンスに変換できれば、まだまだ試合は続いていく」
プレシーズンテスト会場ともなったF1スペインGPの舞台、カタロニア・サーキットは、全長4675mに16コーナーを有するマシン総合力が試されるコース。事実上、欧州ラウンドの初戦という事で多くのチームが大規模なアップグレードを持ち込む。
昨年のグランプリではルイス・ハミルトン(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、バルセロナでの5連覇を達成した。
F1スペインGPは、日本時間5月20日(金)21時からのフリー走行1で幕を開ける。