ペレス不満のチームオーダーが「絶対的に正しい」理由を丁寧に説明するレッドブル代表ホーナー
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レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、F1スペインGPでのセルジオ・ペレスに対するチームオーダーは、ポイントを最大化する上で理に適った唯一絶対の選択肢だったと説明した。
5月22日(日)にカタロニア・サーキットで行われたシーズン第6戦では、マックス・フェルスタッペンを先行させるようにと、2度に渡ってペレスに指示が飛んだ。ペレスは2位でフィニッシュし、フェルスタッペンは3連勝を飾った。
アドレナリンが収まった後、レース結果を左右したのはチームオーダーではなくタイヤ戦略にあったと認めたものの、優勝を奪われたと感じたペレスはレース中に不満を漏らしていた。
ホーナーはSky Sportsとのインタビューの中で「タフだったよ。前半は何もかもが上手くいっていないように見えた」とレースを振り返った。
「マックスのクルマにはDRSの問題があったし、ターン4では突風にやられてしまった。でも上手くグラベルを抜けてコースに戻ってきてくれた」
「マックスがジョージ(ラッセル)の背後で身動きが取れなくなってしまったため、あの時点で3ストップに切り替えるのがベストだと判断した。結果的にそれが望ましい戦略だった」
「今日のマシンのペースは本当にすごく良かったから、シャルル(ルクレール)にとっては残念だった。リタイヤしなければレース後半で本当に興味深いバトルが見れただろうからね」
ペレスは17周目、37周目、53周目に、対するフェルスタッペンは13周目、28周目、44周目にピットストップした。ペレスは第2スティントでラップをリードしていたが、チームオーダーに従い、第3スティント中のフェルスタッペンに首位を譲った。
この時チームは、ペレスをもう1度ピットに入れるつもりだった。だがペレスはステイアウトしてフェルスタッペンとバトルすれば優勝の可能性があると感じていた。
レッドブルのピットウォールにそのプランは存在していなかった。2台が揃ってオーバーヒート気味であったため、ハードな接近戦によってトラブルが出る事をチームは恐れた。
またフェルスタッペンはタイヤ履歴的に強大なアドバンテージがあったため、そもそもバトル自体が不毛だった。両者のタイヤデルタは1周あたり2秒以上にまで達していた。
「ライバルと同様に、我々が抱えていた問題は温度が猛威を振るっていたというところにある。水、オイル、ブレーキなど、温度が激しく上昇していた。1-2フィニッシュを狙える状況で最も負いたくないリスクはリタイアだ」とホーナーは説明する。
「あれほどのタイヤ的なアドバンテージがある以上、マックスとの直接的なバトルはあり得なかった。チェコはミディアムタイヤでロングスティントを走っていた。マックスにアドバンテージがある事に気づいていなかった」
「2人のタイヤオフセットは本当に大きかった。マックスはあの時点でタイヤ的に1周あたり2秒ほど速かった。2人を戦わせる意味がなかった」
「それに(2ストップで行けば)チェコのタイヤは最後まで持たなかっただろう。だからレース終盤にピットインさせ、ファステストラップを獲りに行ったんだ」
「我々にはできる限り多くのポイントを獲得しなければならない責任がある。チェコはあの時点で見えていなかったが、今は完全に理解しているはずだ」
「チームとしての観点から言えば、気温が急激に上下する状況で断続的にDRSトレインに入るリスクを冒すのは意味がない。だからあれは絶対的に正しい指示だったのだ」
「チームプレイに徹したチェコを褒め称えなければならない。今日はマックスと同じレースに参加していなかったし戦略も違っていたけれど、彼は本当に素晴らしかった」