ホンダF1、”完敗”の2位表彰台「メルセデスは速さ・総合力で我々を凌駕」と田辺TD

表彰台の上で2位トロフィーを見つめるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年5月9日F1スペインGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、66周に及んだカタロニア・サーキットでのF1第4戦スペインGP決勝を振り返り「メルセデスは速さ・チーム総合力の両面で我々を上回っていた」と語った。

好スタートを決めたマックス・フェルスタッペンはターン1でポールシッターのルイス・ハミルトン(メルセデス)を交わして1ストップ戦略でレースの大部分をリードしたものの、残り7周というところで、2ストップによるフレッシュタイヤのアドバンテージを活かし猛追するハミルトンにオーバーテイクを許した。

2番手後退を受けて、レッドブル陣営はファステストラップを狙うべくピットインを決断。フェルスタッペンはソフトタイヤに交換し、2位表彰台に加えてファ ステストラップによる1ポイントを獲得した。

もう一台のRB16Bをドライブするセルジオ・ペレスはオープニングラップで8番手から6番手まで順位を上げると、46周目のターン1でアウト側からダニエル・リカルド(マクラーレン)を攻略。シャルル・ルクレール(フェラーリ)には届かなかったものの5位フィニッシュを飾った。

アルファタウリ勢は、ピエール・ガスリーがスタート時にグリッドを越えた位置にストップしたことで5秒ペナルティーを科され、角田裕毅は燃料圧力の問題により7周目のターン10でマシンをストップさせるなど厳しい戦いを強いられた。

ガスリーはホンダパワーユニット勢の中で最も早い18周目にピットイン。ペナルティー消化後にミディアムタイヤに交換し、その後48周目に2度目のピットストップを行い、終盤に向けてソフトで追い上げを図った。60周目にキミ・ライコネン(アルファロメオ)を、そして翌周にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)を、更にはランス・ストロール(アストンマーチン)を交わして10位入賞を果たした。

結果、ホンダエンジン勢はフェルスタッペンを含む3台が入賞を果たしたものの、田辺TDにとっては悔しさが勝るレースとなったようだ。

Honda:F1スペインGP決勝

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日のスペインGP決勝では、レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が2位表彰台を獲得しました。先週のポルトガルでのレースに続き今回も2位という事で、非常に悔しい思いです。

フロントロー2番グリッドからスタートしたフェルスタッペン選手は、良いスタートを決めて1コーナーでポールポジションのハミルトン選手をパスしてトップに立ちましたが、異なるタイヤ戦略を採ったハミルトン選手に終盤にかけて激しく追い上げられ、逆転を許しての2位となりました。彼らは速さとチームの総合力で我々を上回っていたと感じています。

チームメートのペレス選手は肩の痛みなどもあり、昨日の予選では上手くラップをまとめられず8番グリッドからのスタートとなりましたが、トラフィックの中での難しいレースながらも5位までポジションを上げる素晴らしいレースを見せてくれました。

スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、スタート時の違反により5秒ペナルティーを受けたことが影響して大きくポジションを落としましたが、力強い走りで終盤に幾つものオーバーテイクを見せ、チームにとって貴重な1ポイントを獲得してくれました。

16番手スタートの角田選手は燃料圧力の低下が発生したために序盤にリタイアと、彼にとっては厳しい週末になりました。問題の原因については早急にチームと一緒に解析を進めていきます。

2週間後にはモナコGPを迎えます。低速コーナーが多い特殊な市街地コースですので、これまでのレースとは異なるチャレンジになりますが、万全の準備を整えていきたいと思います。

F1スペインGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了