アプグレ機能も「大問題」と当惑ルクレール、レースで戦うためには「秒単位」の改善が必要とバスール
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ポイント圏外の11位に終わった苦難のF1スペインGPを経てシャルル・ルクレールは、非バスタブ型サイドポッドを含むアップグレードは機能しているようだとしながらも「大問題だよ」と述べ、一貫性を欠く気まぐれなフェラーリSF-23に当惑した様子を見せた。
土曜のバルセロナで奇妙なハンドリングの問題に見舞われた昨季ポールシッターは予選で19番手に留まり4年ぶりのQ1敗退を喫すると、決勝に向けてクルマに変更を加えて新しいパワーユニットを開封。ピットレーンからの巻き返しに臨んだ。
予選と比べれば幾らか調子は上向いたものの、最後までポイント圏内に足る十分なペースはなく、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)に前を阻まれ11位でレースを終えた。角田裕毅(アルファタウリ)がペナルティを受けていなければ12位だった。
レースを終えたルクレールは、まるで禅問答かの如く「何を間違えているのか理解できないけど、何かを間違えている」と述べ、SF-23が抱える「大問題」なるものを次のように説明した。
「マシンバランスという点では良かったけどパフォーマンスは全く安定しなかった。ハードタイヤで2スティント走ったんだけど、1回目のセットでかなり手こずった一方、2セット目はかなり良かったんだ」
「データを洗いざらい全て分析しなきゃならないのは確かだ。というのも、アップグレードは期待通りに機能しているように見えるのに、いつもタイヤに足を引っ張られている感じで、正しいウインドウに収めるのに苦労しているんだ。これは大問題だよ」
「同じタイヤを履いて2スティント走ったのに、終盤に向けて、本当に酷かったクルマが良くなったんだから。ファクトリーに戻って昨日の予選で何が悪かったのかを調べるつもりだ。それが今日のトリッキーな状況を招いたに違いないからね。やるべきことは山積みだ」
ルクレールほどではないにしろ、最前列2番グリッドのついたカルロス・サインツもレースで順位を落とし、地元ファンの期待に沿わない5位フィニッシュという失望の結果に終わった。
サインツは「残念ながら上位を争う事はできず厳しいレースだった」とした上で「僕らのペースはタイヤマネジメントとデグラデーションに大きく左右されてしまうんだ」と課題を上げた。
チーム代表を務めるフレデリック・バスールは、ハードタイヤを履いたルクレールの最初のスティントを「悪夢」と表現し、レッドブル、メルセデス、アストンマーチンというトップ3チームと選手権を戦うためには「秒単位」という途方もない改善が必要との考えを示した。
「我々は今週末、予選ペースという点では一歩前進した。カルロスは今季最高の予選を戦いフロントロウを獲得した。だがレースペースに関しては、レッドブルとメルセデスが我々より速いことは明らかだ」とバスールは語る。
「アップグレードについては、今週末とマイアミを比較すると全体的に一歩前進したと思っている。だがそれでもまだ十分ではない」
「我々の問題はパフォーマンスではなく一貫性の欠如だ」
「シャルルの最初のハードタイヤは悪夢のようだったが、同じコンパウンドで走った最後のスティントで彼はバランスに満足していた。我々はこの一貫性のなさを評価しなければならない。次のカナダまで我々はこの問題に完全に集中するつもりだ」
「もちろんクルマの開発は続けていくが、それはコンマ1秒単位の改善であるのに対して、レースで求められている改善は秒単位だ。このクルマには前進するために解き放たなければならない何かがある」
6月4日(日)にカタロニア・サーキットで行われた2023年F1第8戦スペインGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がグランドスラムを達成して通算40勝目を飾り、2位にルイス・ハミルトン、3位にジョージ・ラッセルとメルセデス勢がダブル表彰台に上がった。
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは6月17日のフリー走行1で幕を開ける。