ホンダF1 田辺TD「エンジントラブルによる影響は最小限」F1スペインGP《初日》

険しい表情を浮かべるホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、F1スペインGPフリー走行1にてcopyright Honda

F1第5戦スペインGP初日プラクティスを振り返ったホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは、FP1で発生したエンジントラブルに懸念を示した一方で、問題発生による損失は最小限に留まったとの認識を示した。

FP1残り30分というタイミングで、ミディアムタイヤを履いてコースインしたフェルスタッペンのマシンにエンジントラブルが発生。ガレージに戻ったクルマからは大量のオイルが漏れ出し、メカニック達がフロア下からマシン後部を覗き込み作業に取り組んだ。これによってフェルスタッペンは、走行僅か14周という状況で、早々にセッションを終える事を強いられた。

エンジンマイレージをセーブするために、この日のレッドブルは第3戦中国GPまで使用していた旧型のパワーユニットを搭載。予選が行われる2日目のセッションで、第4戦アゼルバイジャンで封を切った最新型のスペック2に載せ替える計画を立てていたが、トラブルを受けて予定を変更。FP2に向けて、33号車のエンジンを使用済みスペック2へと換装した。

FP2に続きドライコンディションに恵まれたFP2では深刻なトラブルはなかったものの、フェルスタッペンは予選シム中に、スロットル開度と加速が連動しない不具合を訴えた。結果としては、最速を刻んだバルテリ・ボッタスからコンマ7秒遅れの5番手タイム。2日目に向けて課題を抱える事となった。

ピエール・ガスリーはノートラブルだったものの、トップから0.9秒落ちの7番手に甘んじ、大規模な空力アップグレードを搭載したハースのロマン・グロージャンに先行を許した。トロロッソ勢は、ダニール・クビアトが10番手、アレックス・アルボンが12番手に終わり、母国グランプリのマクラーレン、カルロス・サインツの後塵を拝した。

  • 5番手:フェルスタッペン(+0.751秒)
  • 7番手:ガスリー(+0.954秒)
  • 10番手:クビアト(+1.438秒)
  • 12番手:アルボン(+1.495秒)

シーズン初の大型アップグレードを検証するという意味において、カレンダーの中で最も重要なプラクティスに位置づけられるスペインGPのFP1。そのセッションの3分の1を失ったにも関わらず、田辺TDは「交換のタイミングが若干早まった形」と語り、深刻な影響には至っていないとの考えを示した。

トラブルの詳しい原因については現在調査中とのことで、現時点では明らかにされていない。

ホンダ:F1スペインGP初日を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

残念ながら、バルセロナ初日は4台そろっての順調な一日とはなりませんでした。スクーデリア・トロロッソ側のパワーユニットについては大きな問題はなく、スムーズな一日となりましたが、レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手のPUにオイル漏れが確認されました。

発見されたのがFP1の終盤だっため、FP2開始までの時間を考慮して、パワーユニットを交換する決断を下しました。結果として、無事にFP2のスタートに間に合わせることができました。迅速な交換作業を行ってくれたレッドブルとホンダ双方のメカニックに感謝します。

フェルスタッペン選手がFP1で走行時間を失ったことは残念ですが、今週末は金曜にスペック1のPUを使用し、土曜以降は前戦で投入したスペック2に交換する計画でした。交換のタイミングが若干早まった形とはなりましたが、レースに向けて、引き続きセッティングを進めていきたいと考えています。


初日をトップで締め括ったのは今季好調を示しているランキングリーダーのバルテリ・ボッタス。チームメイトのルイス・ハミルトンを1000分49秒遅れの2番手に従えて、シルバーアローが1-2体制を築いた。

F1スペイングランプリ3回目のフリー走行は、日本時間5月11日(土)19時から20時まで、公式予選は同22時から1時間に渡ってカタロニア・サーキットで開催される。

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