フェルスタッペンとハミルトンの規制違反審問、裁定なきままF1サンパウロGPの2回目プラクティスがスタート

インテルラゴス・サーキットに姿を見せたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年11月13日F1サンパウロGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

タイトル争いを決定付けかねない2つの審議の裁定が下されないまま、F1サンパウロGPは2回目のフリー走行を迎えた。スプリント予選開始までに残された時間は4時間足らずだ。

予選トップタイムを記録したルイス・ハミルトン(メルセデス)にはDRS関連の技術規制違反疑惑があり、同2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)についてはパルクフェルメ下のマシンに触れたとする競技規制違反疑惑が持たれている。

ハミルトンに関する一件に関しては予選が行われた当日夜に聴取が行われたもの、「更なる証拠を待つため」との理由で審問が翌13日朝まで保留された。その後、パルクフェルメ違反疑惑が浮上したとしてスチュワードは、現地13日(土)9時30分からフェルスタッペンの聴取を行うとの通達を出した。

どういう事か。F1-Insiderによるとレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、フェルスタッペンが触れた事でハミルトンのリアウィングが壊れたとメルセデスが主張しているとの事だ。

一夜が明け、フェルスタッペンはスポーティング・ディレクターのジョナサン・ウィートリーと共にスチュワードの元に向かった。その後、1時間後にメルセデス側の再聴取が行われた。

既に聴取は終わっているものの、裁定が出ないままF1サンパウロGPはFP2の開始を迎えた。

審問保留に際して押収されたハミルトンのリアウイングを返却するわけにはいかず、FIAはFP2のためにメルセデスに対してリアウイングの交換許可を出した。

フェルスタッペンの行為についてレッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は「ちょっとした好奇心からであって、それ以上の事は何もない。ドライバーがクラッチパドルを引っ張ったり、コックピットに頭を突っ込んだり、フロントウイングをテストしたり、タイヤを押したりするのを目にするのは決して珍しい事じゃない。これまでに話題になったこともないし、議論されたこともない」と説明した。

”クロ”と判断されればハミルトンは予選失格となる。この場合、スプリント予選のグリッドに影響が出る。スチュワードに決断を躊躇している時間的猶予はない。

フェルスタッペンにも何らかの制裁が下される可能性があるが、一般に競技規制違反より技術規制違反の方が遥かに重い罰則の対象となり得る。

元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは「最近のパルクフェルメでは明らかに、ルールが無視されている」「以前からドライバーが他車やタイヤに触れる様子を目にしてきた」と指摘する。

「スポーティングコードはパルクフェルメに関して、誰もクルマを触ってはいけないと明確に規定しているが、ドライバー達がこれまでもそうしてきた事を考えると、彼ら(FIA)がマックスに対して下せるのは叱責や警告、グリッドペナルティなどではないだろうか」

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