ハミルトンの後任としてのベッテルのF1復帰の可能性を指摘するシューマッハ

ニュルブルクリンクで行われたレッドブル・フォーミュラに参加するセバスチャン・ベッテル、2023年9月9日(土)Courtesy Of Red Bull Content Pool

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハはセバスチャン・ベッテルが現役復帰を望んでいるようだと伝え、ルイス・ハミルトンの後任としてメルセデスでF1復帰を果たす可能性に言及した。

4度のF1ワールドチャンピオンは2022年シーズン末を以てF1でのキャリアに終止符を打った。2024年に向けてはFIA世界耐久選手権(WEC)への参戦の噂もあったが、現在はレースから離れている。

ハミルトンが2025年にフェラーリに移籍する事が発表されて以来、パドックではジョージ・ラッセルの新たなチームメイトに関する憶測が飛び交っている。メルセデスは早期に7度のF1王者の後任を選定しなければならない。

同じドイツ出身のシューマッハはF1バーレーンテストに際して独「Sky Sport」に対し、「セバスチャン・ベッテルがまたクルマに乗りたがっていると聞いた」と伝えた。

シューマッハはハミルトンの後任候補としてオスカー・ピアストリ、エステバン・オコン、アンドレア・キミ・アントネッリ、そして甥のミック・シューマッハの4名を挙げたが、今のメルセデスが必要としている人材としてはベッテルに勝るものはないと考えているようだ。

メルセデスにとってグランドエフェクトカー規定導入以降の唯一の勝利を上げるなど、ラッセルは2022年にシルバーアローに加わって以来、たびたび印象的なパフォーマンスを発揮してきた。

シューマッハはレーシングドライバーとしてのラッセルの実力を疑っているわけではないが、ハミルトンやベッテルの代わりとなれるほどのカリスマ性や認知度、人気を持ち合わせているかどうか疑問視している。

「ジョージ・ラッセルがマーケティング面でルイス・ハミルトンに取って代わるだけの世界的なカリスマ性を持っているのかどうか、あるいはメルセデスのドイツ人ドライバーとしてのセバスチャン・ベッテルに取って代わるだけのカリスマ性を持っているのかどうか…彼にとってそれはおそらく荷が重すぎる」とシューマッハは語った。

ドイツ出身のベッテルは2007年から2022年にかけて通算299戦に出場し、優勝53回、表彰台122回、ポールポジション57回を獲得。4度のタイトルを掴み取り、ハミルトンと並んで環境問題や人権問題に声を上げるなど、レース競技以外でも存在感を発揮してきた。

ドイツの自動車メーカー、メルセデスのワークスチームは2010年のF1復帰以来、ニコ・ロズベルグとミハエル・シューマッハという2人のドイツ人ドライバーを起用しているが、タイトル獲得後の2016年末を以てロズベルグが引退して以降は母国ドライバー不在の状況が続いている。

シューマッハはハミルトンの後任としてベッテルが相応しいと考えているようだが、必ずしもそれがベッテルに幸福と成功をもたらすと考えているわけではない。

メルセデスについてシューマッハは「少し失望している」と述べ、期待とは裏腹にチームが今も昨年と同じような課題やパフォーマンス上の問題を抱えていると感じている事を明かし、ハミルトンがフェラーリへの移籍を決断したのは、チームの現状や将来の見通しに疑問を感じたためではとの見方を示した。

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