フェルスタッペン「不可能なんて事は絶対にない」”酷い”クラッシュで一転劣勢も逆転の望み捨てず
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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、ジェッダ市街地コースでオーバーテイクを成功させるのは難しいと認めながらも「不可能なんて事は絶対にない」と語った。8点差のポイントリーダーは3番グリッドからの逆転優勝の望みを捨ててはいない。
原因不明のクラッシュで水の泡
フェルスタッペンは予選Q3最終ラップで、壁ギリギリにまで迫る鬼神の走りを披露。コンマ2秒のアドバンテージを以て最終ターン27に向かったが、ブレーキングでタイヤをロックアップさせバランスを崩し、右後輪と右前輪がアウト側のウォールに激突。サスペンションにダメージを負ったため計測ラップを終える事ができなかった。
この結果、史上稀に見る見事な走りは水の泡となり、タイトル争いのライバル、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がポールポジションを獲得。フェルスタッペンは3番手に甘んじる事となった。ミルトンキーンズのチームメンバーは誰もが頭を抱え、この悲劇を嘆いた。
セッションを終えたフェルスタッペンは自身のミスを「本当に酷い」と認め「もちろん、本当に残念だ。クルマは予選でいい感じだったし、あの時点まではすべてが上手くいっていたと思う」と落胆した様子を見せた。
「ラップを完璧にまとめるのは大変だった。Q1とQ2はトラフィックを含めて何かと問題があったけど、その点でQ3は問題なかった。でも残念ながらラップを終える事ができなかった」
事故へと繋がる起点となったタイヤのロックアップの原因についてフェルスタッペンは「良く分からない」と説明した。
「どういう訳かロックしてしまったんだ。それでもクルマをコース上に留めて最後まで走り切ろうと頑張ったんだけど、リアをクリップさせてしまい、断念しなきゃならなかった」
不可能なんて事は絶対にない
フェルスタッペンは「ここでは前のクルマについていくのが難しい」として、ジェッダ市街地コースでの追い抜きが容易ではない事を認めた。
ただその一方で、初開催という事もありタイヤの挙動を含めて判然としない要素が幾つかある事から、3番グリッドながらもメルセデスとやり合う事が「不可能なんて事は絶対にない」と指摘した。
「戦えそうな気がしている。前戦カタールではペースが上がらなかったけど、ここでのクルマは上手く機能しているように思うし」
「明日のレースで彼らに上手くついていける事を願ってる。そうなればきっと良い勝負ができるはずだ」
懸念されるギアボックス交換
問題はギアボックスだ。事故のダメージによって交換を強いられる事になれば、6戦連続使用を定めたルールに違反し、5グリッド降格ペナルティが科される事になる。
RB16Bへのダメージの程度について問われたフェルスタッペンは「分からないよ。すぐに止まってしまったからね。どうなることやら状況を見守るしかない」と語った。
チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ギアボックスの損傷が酷く交換を余儀なくされれれば「余りにも残酷」だと指摘した。
「今年のベストラップになりそうだったのに…。彼は最終コーナーで前につんのめってしまい、スピードをキープしようとしたものの、残念ながらコースの外へと向かっていった」
「悔しいだろうね、間違いなく。彼はあのラップがどれほど良かったかを分かっているわけだし。でも、もう頭を切り替えて忘れなければならない。レースでは何が起きるか分からない。彼は同時にその事も良く分かっている」
「ギアボックス・ペナルティがない事を祈るよ。そうなれば余りにも残酷だ」
「ここでオーバーテイクするのはかなり難しいと思うから、巻き返しのためには戦略が必要になるだろうし、セーフティカーや信頼性といった要素も絡んでくるだろう」
「ただ何れにせよ市街地コースである以上、グリッドポジションは決定的に重要だ」
2021年 F1サウジアラビアグランプリ決勝レースは、日本時間12月5日(日)26時30分にスタート。1周6,175mのジェッダ市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。