ランド・ノリスが”リスク”冒して初PP「自信は…なかった!」ホンダ最上位は9番手ペレス / F1ロシアGP《予選》結果とダイジェスト

ピレリ・ポールポジション・アワードを手に持つマクラーレンのランド・ノリス、2021年9月25日F1ロシアGP予選にてCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2021 FIA-F1世界選手権15戦ロシアGPの公式予選が9月25日にソチ・オートドロームで行われ、ランド・ノリスがキャリア初のポールポジションを獲得した。マクラーレンにとっては2012年以来、実に9年ぶりのポールとなった。

ウェットとドライが混在する難しいコンディションの中、21歳のイギリス人ドライバーは至るところでリアを滑らせながらもスリックタイヤを履いたクルマをコントロールし、最終ラップで見事まとめ上げた。

予選後のグリッドインタビューに応じたノリスは「何て言って良いか分からないくらい最高の気分だよ!狂ったようにエキサイティングなセッションだった」と喜びをあらわにした。

「最高に嬉しいし、チームのみんなにも感謝してる。本当に素晴らしい仕事をしてくれた!」

「クロスオーバー・セッションだった。最終アタックの1つ前のラップでは(自己ベストから)2秒遅れていたから改善できる自信は全然なかったんだけど、かなりのリスクを冒した事で報われる事になった」

2番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手にはジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)が続いた。いずれもQ3終盤のインターミディエイトからソフトへの履き替えで見事な仕事を成し遂げた結果だった。

ロシアGP無敗を誇るメルセデス勢はスリックタイヤへの履き替えが遅れた事で熱が入り切らず、ルイス・ハミルトンが4番手、バルテリ・ボッタスが7番手と、中団チームに先行を許す結果となった。

7度のF1ワールドチャンピオンには度重なるミスもあった。Q3でピットレーンへと戻った際には壁と接触してフロントウイングを破損。最終アタックに向けてかろうじてコースに戻ったものの、今度はコース上でスピンを喫してリアをバリアにぶつけた。

ホンダ勢最上位はセルジオ・ペレス(レッドブル)の9番手に留まった。エンジン交換ペナルティで最後尾スタートが確定している僚友マックス・フェルスタッペンはインスタレーションラップを走ったのみでガレージへと戻り、ノータイム20番手でクルマを降りた。

アルファタウリ・ホンダ勢は、ピエール・ガスリーが12番手、角田裕毅が13番手とダブルQ2敗退を喫した。チームに2セット目のタイヤの使用を提案したものの断られたようで、ガスリーはフィニッシュラインを通過した後、ヘイローを叩き続けて怒りをあらわにしていた

ポールシッターのチームメイト、ダニエル・リカルドも5番手と健闘。フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)を1000分の48秒差で6番手に抑えたが、Q1でランス・ストロール(アストンマーチン)を妨害した可能性があるとして、予選後に審議が行われる。

そんなストロールは無事にQ3にまで駒を進めて8番手を刻んだ。トップ10最後の枠にはアルピーヌA521を駆るエステバン・オコンが滑り込んだ。

土曜のソチは午前中に大雨に見舞われ、タイムテーブルが大幅に変更される事態となった。

現地12時に開催が予定されていたF1の3回目のフリー走行は中止され、サポートレースのFIA-F2選手権とFIA-F3選手権のスケジュールも中止と延期が相次いだ。

ただ幸いにも現地15時からのF1予選は雨も上がり定刻通りの開始となり、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温14℃、路面17℃、湿度76%のウエットコンディションでスタートした。

予選Q1:ジョビナッツィがスピン

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、アロンソのみフルウェットタイヤを装着。セッションと同時に全車がコースに入り、連続周回してタイムを刻んでいった。アロンソはその後、他の19台と同じインターミディエイトに履き替えた。

アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)は16コーナーでスピン。後続のシャルル・ルクレール(フェラーリ)は急な回避行動を強いられた。幸いにも接触やマシンへのダメージはなかった。

トップ通過はボッタス。1000分の59秒差でペレスが2番手に続いた。ペレスはターン2のブレーキングの際にリアを滑らせ派手にスピンを喫する場面もあった。

角田裕毅は最終コーナーでニキータ・マゼピン(ハース)に前を塞がれるシーンも見られたが、15番手ギリギリでQ2進出を果たした。

ノックアウト

  • キミ・ライコネン
  • ミック・シューマッハ
  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • ニキータ・マゼピン
  • マックス・フェルスタッペン

予選Q2:2台がノータイム終了

20台が周回を重ねた事で、徐々にレーシングラインがドライへと変化しつつある中、Q2が行われた。

フェルスタッペン同様にPU交換により最後尾スタートが確定しているルクレールはガレージからコースに出ず、ノータイム15番手で予選を終えた。同じ理由でニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)も計測を行わず14番手でクルマを降りた。

トップ通過はハミルトン。ボッタスがコンマ4秒差で2番手に続いた。

ノックアウト

  • セバスチャン・ベッテル
  • ピエール・ガスリー
  • 角田裕毅
  • ニコラス・ラティフィ
  • シャルル・ルクレール

予選Q3:一転、ドライ決戦に

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、まずは全車がインターミディエイトでコースに入ったものの、ラッセルがスリックタイヤ(C5:ソフト)に交換した事で他の9台が続く展開となった。

ただ、路面温度が低くタイヤに熱が入らない状況で、時計の針が1分を切ってもタイム更新の兆しはなかった。

ところが最後の最後にサインツがセクター2で全体ベストを記録。暫定ポールに躍り出ると、今度はノリスがこれをコンマ5秒差で交わしてトップに。最後にラッセルが3番手タイムを刻み、タイムシートは一気に塗り替えられる事となった。

2021年 F1ロシアグランプリ決勝レースは、日本時間9月26日(日)21時にスタート。1周5872mのソチ・オートドロームを53周する事でチャンピオンシップを争う。

2021年F1第15戦ロシアGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:47.238 1:45.827 1:41.993 23
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:47.924 1:46.521 1:42.510 25
3 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:48.303 1:46.435 1:42.983 26
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:45.992 1:45.129 1:44.050 24
5 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:48.345 1:46.361 1:44.156 23
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:47.877 1:45.514 1:44.204 25
7 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:46.396 1:45.306 1:44.710 24
8 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:48.322 1:46.360 1:44.956 23
9 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:46.455 1:45.834 1:45.337 24
10 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:48.099 1:46.070 1:45.865 25
11 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:47.205 1:46.573 18
12 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:47.828 1:46.641 18
13 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:48.854 1:46.751 20
14 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:48.252 DNS 12
15 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:48.470 10
16 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:49.586 10
17 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:49.830 10
18 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:51.023 9
19 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:53.764 10
20 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ DNF 2

コンディション

天気
気温14℃
路面温度17℃

セッション概要

グランプリ名 F1ロシアGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ソチ・オートドローム
設立 2014年
全長 5872m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1ロシアGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了