ハミルトンPP、ホンダ 第2戦以来の最前列…フェルスタッペン「予想外!本当に嬉しい」F1ロシアGP《予選》結果とダイジェスト

ソチ・オートドロームを走行するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年F1ロシアGP予選にてcopyright Red Bull Content Pool

2020 FIA-F1世界選手権10戦ロシアGPの公式予選が9月26日にソチ・オートドロームで行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが1分31秒304のコースレコードを記録し、今季8回目、キャリア通算96回目のポールポジションを獲得した。

ソチ無敗を誇るメルセデスのフロントロー独占は疑いない状況であったが、ハミルトンと並び最前列に立ったのはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンであった。オランダの天才は、Q3最終アタックで自己ベストをコンマ5秒近くも更新。パドックとガレージを沸かせる2番手を獲得した。

フェルスタッペンがフロントローを獲得したのは、7月上旬にレッドブル・リンクで開催された第2戦シュタイヤーマルクGP以来初。予選を振り返ったフェルスタッペンは「適切なマシンバランスを見出すのに苦労していたけど、Q3の最後のアタックは悪くなかった。2番グリッドは予想外だから本当に嬉しい」と語った。

バルテリ・ボッタスは4番手セルジオ・ペレス(レーシングポイント)と並ぶまさかの2列目3番手に終わったが、「そうは言ってもスタートポジションとしては悪くないし、スタートタイヤがミディアムという点が有利に働いてくれるだろうから、まだまだ勝負は終わってはいない」と前を向いた。

3・4列目にはマクラーレンとルノーが交互に並んだ。5番手はダニエル・リカルド、6番手にカルロス・サインツが続き、7番手にエステバン・オコン、8番手にランド・ノリスが続く結果となった。

他のホンダエンジン勢は、アルファタウリのピエール・ガスリーが9番手につけ、10番手に留まったシニアチームのアレックス・アルボンを上回った。母国レースのダニール・クビアトは地元ファンの期待に応える事が出来ず、Q3進出を僅差で逃す12番手でクルマを降りた。

本格的な降雨こそなかったものの、現地ソチの午後の上空は今にも降り出しそうな厚く黒い雲に覆われ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温26.4℃、路面34.4℃、湿度56.6%のドライコンディションでスタートした。Q2ではレッドフラッグが振られるクラッシュが発生した。

公式タイヤサプライヤーのピレリは今季初のアロケーションとなる、ハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを投入した。この組み合わせは昨年のロシアGPのものと比べて一段階柔らかい。

予選Q1:母国クビアトが3番手突破

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、興味深いことにウィリアムズのジョージ・ラッセルがミディアムタイヤを履いて先陣を切った。決勝を見据えてタイヤをスクラブした可能性がある。

ラッセル曰く、路面コンディションはFP3とは「全然違う。風の影響かも」との事で、ルイス・ハミルトンやケビン・マグヌッセン、ピエール・ガスリーらがターン2のコース外に飛び出てしまい、トラックリミットでタイムを抹消された。

1セット目を終えて上位に付けたルイス・ハミルトン、セルジオ・ペレス、カルロス・サインツ、シャルル・ルクレールを除く全車が2セット目に履き替えてコースに向かった。

ノックアウトゾーンの沈んでいたルノーのエステバン・オコンは自己ベストを大きく更新して3番手に浮上するも、母国レースのダニール・クビアトがこれを上回り3番手に。フェルスタッペンはミディアムを履いて5番手を刻み、ラッセルは13番手でQ2進出を果たした。

アルファロメオのキミ・ライコネンはアタックラップの序盤にスピンを喫し、計測を断念。20番手最下位に終わった。

ノックアウト

  • ロマン・グロージャン
  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • ケビン・マグヌッセン
  • ニコラス・ラティフィ
  • キミ・ライコネン

予選Q2:ベッテルがクラッシュ

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、路面温度が32度にまで下がり、セルジオ・ペレスがコースの一部で降雨を報告する形で始まった。

1セット目のアタックでは、ハミルトンが1分32秒085のトップタイムを刻むも、最終ターン18で4輪がコース外に出てしまい、トラックリミットでタイム抹消となった。ボッタスとフェルスタッペンはミディアムで出撃。各々暫定トップ10につけた。

2セット目のラップでは、セバスチャン・ベッテルがターン4のエントリーでイン側の縁石に乗った瞬間にスピンを喫し、そのままアウト側のバリアに激突。コース上にはフロントウイングを始めとしてボディーワークが散乱し、セッションは残り2分15秒で赤旗中断となった。後続のシャルル・ルクレールは間一髪でベッテルのマシンを避け、クラッシュを免れた。

この結果、2セット目のミディアムを履いてアタック中であったハミルトンを始めとする多くのマシンが計測を断念。ハミルトンはノータイムの暫定15番手、クラッシュしたベッテルを含めて、アレックス・アルボン、ランス・ストロール、ジョージ・ラッセルがノックアウトゾーンに並んだ。

ピットレーンにはレッドブル・ホンダの2台を先頭に、セッション再開を待つマシンがずらりと並んだ。ハミルトンは8番目と、時間内にスタートできるか際どい位置であったが、本来のターゲットとは異なるソフトタイヤならがも無事にフィニッシュラインを駆け抜け、4番手でQ3に駒を進めた。

ノックアウト

  • シャルル・ルクレール
  • ダニール・クビアト
  • ランス・ストロール
  • ジョージ・ラッセル
  • セバスチャン・ベッテル

予選Q3:フェルスタッペンが渾身の走り

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、1セット目の計測を終えてハミルトンがただ一人31秒台を刻んで暫定ポールに立ち、ボッタス、フェルスタッペンがこれに続いた。暫定3番手のフェルスタッペンの後ろには、ガスリーのスリップを得たリカルドとペレスが100分の5秒という僅差で続いた。

最終アタックでは、ハミルトンが自己ベストを更に更新してコースレコードを樹立。リカルドは更新ならずも、ペレスが自己ベストを塗り替えてフェルスタッペンを抜き去り暫定3番手に躍り出た。だが、フェルスタッペンは脅威的な走りでハミルトンと同じ31秒台に入れ込み、ボッタスを交わして2番手を手にした。

2020年 F1ロシアグランプリ決勝レースは、日本時間9月27日(日)20時10分にスタート。1周5,872mのソチ・オートドロームを53周する事でチャンピオンシップを争う。

2020年F1第10戦ロシアGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:32.983 1:32.835 1:31.304 19
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:33.630 1:33.157 1:31.867 21
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:32.656 1:32.405 1:31.956 19
4 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:33.704 1:33.038 1:32.317 15
5 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:33.650 1:32.218 1:32.364 15
6 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:33.967 1:32.757 1:32.550 15
7 31 エステバン・オコン ルノー 1:33.557 1:33.196 1:32.624 20
8 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:33.804 1:33.081 1:32.847 19
9 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:33.734 1:33.139 1:33.000 21
10 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:33.919 1:33.153 1:33.008 19
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:34.071 1:33.239 10
12 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:33.511 1:33.249 16
13 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:33.852 1:33.364 11
14 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:34.020 1:33.583 11
15 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:34.134 1:33.609 11
16 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:34.592 7
17 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:34.594 6
18 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:34.681 8
19 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:35.066 5
20 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:35.267 5

コンディション

天気晴れ
気温26.4℃
路面温度34.4℃

セッション概要

グランプリ名 F1ロシアGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ソチ・オートドローム
設立 2014年
全長 5872m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1ロシアGP特集

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