ボッタスが逆転ポール!5台が走行を見合わせる異常事態にQ2の存在理由が消滅 / F1ロシアGP《予選》結果とダイジェスト

ソチ・オートドロームを走るメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスcopyright Mercedes

2018年F1世界選手権 第16戦ロシアGP公式予選が9月29日にソチ・オートドロームで行われ、昨年の覇者、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが1分31秒387を記録しポールポジションを獲得した。

2番手はチームメイトのルイス・ハミルトン。0.145秒届かず2番手に甘んじた。シルバーアローがフロントローを独占するのは今シーズン5度目。ロシアGP初開催からの5連覇に向けてメルセデスが王手をかけた。

セカンドロウはスクーデリア・フェラーリ。3番手にコンマ5秒遅れでセバスチャン・ベッテル、4番手にキミ・ライコネンが同コンマ8秒遅れで続く結果となった。メルセデスとのギャップは今季最大レベル。両チームの開発競争の優劣が形となって表れた。

午前のFP3で見られた上空の雲は何処へか消え去り現地ソチは晴れ渡る晴天に恵まれた。決勝のスタートグリッドを決する争いは気温23℃、路面38℃のドライコンディションでスタート。今週末はトロロッソ・ホンダを含む全5台のマシンのエンジン降格ペナルティが確定しており、最速頂上決戦は事実上15台で行われる事となった。

公式タイヤサプライヤーのピレリは、ソチ・オートドロームにハイパーソフト(桃)、ウルトラソフト(紫)、ソフト(黄)の3種類のコンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドは最も柔らかいハイパーソフトが指定された。


© Getty Images / Red Bull Content Pool、予選に挑むトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレー

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、チェッカーフラッグ後に母国レースのセルゲイ・シロトキンがターン8でスピン。第2セクター区間にイエローフラッグが出され、最後のアタックに向かっていた一部のマシンが妥協を余儀なくされた。

ブレンドンハートレーは1セット目のアタックの際、フロア左後方部分が破損するトラブルに見舞われ急遽ガレージイン。テープでの簡易的な修復を施した後、2回目のアタックのためにコースに向かったが、黄旗とトラフィックの影響を受けて計測を途中で断念。16番手でセッションを終えた。

ハートレー以外のQ1ノックアウト組は、週末を通して最下位争いを繰り広げていたウィリアムズとマクラーレンの計4台。PU交換に伴うグリッド降格が決定し予選を捨てていたマクラーレンのフェルナンド・アロンソは、チームメイトの19番手ストフェル・バンドーンを下し17番手。バンドーンは21戦連続でアロンソに予選成績で破れることとなった。

同じく降格が決まっているレッドブル勢は、フェラーリの二台を上回るタイムをマーク。ダニエル・リカルドが3番手。マックス・フェルスタッペンが4番手を記録した。同様に、スペック3の投入で最後尾スタートを強いられるトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、トップから1.973秒遅れの13番手でQ1突破を果たした。


© Getty Images / Red Bull Content Pool

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2は、ガスリー、フェルスタッペン、リカルドの3名の降格組に加えてルノー・スポールの2台が走行を見合わせたため、タイムを計測しさえすれば自動的にQ3進出が確定するというイレギュラーな展開に。Q2の存在理由が問われ特異な事態となった。

宿敵レッドブルがガレージ内に留まったため、フェラーリとメルセデスはハイパーソフトを履く必要がなくなり、決勝レースを見据えてウルトラソフトタイヤでタイムを計測。セッション残り3分のところでガレージで待機していたルノー勢がマシンを降りたため、ザウバーとハース、フォース・インディアの各2台が自動的に次のラウンドへと進んだ。

ルノーのマシンは他のチームと比較してタイヤに厳しく、今週末はQ3進出に足る速さを見いだせていなかった。仮にQ3に進出してしまうと、Q2で最速タイムを記録した中古タイヤでレースをスタートする義務を負うため、出走を取り止めたものとみられる。


© Renault、ルノー・スポールR.S.18

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、1回目のアタックを終えてボッタスが1000分の4秒差でハミルトンに競り勝ち暫定ポール。これにベッテル、ライコネンの順で並んだ。

2度目のアタックでボッタスが自己ベストを更新し、後続をさらに引き離した。ハミルトンはコーナリングの際にミスを喫し途中でアタックを断念。ベッテルもタイムを削り31秒台に入れ込むも、ハミルトンにはコンマ5秒及ばず3番手に終わった。

シーズン16戦目のF1ロシアグランプリ決勝レースは日本時間9月30日(日)20時10分にスタート。1周5872mのソチ・オートドロームを53周する事で勝敗を争う。

2018年F1第16戦ロシアGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:32.964 1:32.744 1:31.387 17
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:32.410 1:32.595 1:31.532 18
3 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:33.476 1:33.045 1:31.943 18
4 7 キミ・ライコネン フェラーリ 1:33.341 1:33.065 1:32.237 18
5 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:34.078 1:33.747 1:33.181 15
6 31 エステバン・オコン フォースインディア・メルセデス 1:34.290 1:33.596 1:33.413 17
7 16 シャルル・ルクレール ザウバー・フェラーリ 1:33.924 1:33.488 1:33.419 17
8 11 セルジオ・ペレス フォースインディア・メルセデス 1:34.084 1:33.923 1:33.563 16
9 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:34.022 1:33.517 1:33.704 17
10 9 マーカス・エリクソン ザウバー・フェラーリ 1:34.170 1:33.995 1:35.196 17
11 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・タグホイヤー 1:33.048 5
12 3 ダニエル・リカルド レッドブル・タグホイヤー 1:33.247 4
13 10 ピエール・ガスリー トロロッソ・ホンダ 1:34.383 8
14 55 カルロス・サインツ ルノー 1:34.626 6
15 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 1:34.655 6
16 28 ブレンドン・ハートレー トロロッソ・ホンダ 1:35.037 7
17 14 フェルナンド・アロンソ マクラーレン・ルノー 1:35.504 6
18 35 セルゲイ・シロトキン ウィリアムズ・メルセデス 1:35.612 6
19 2 ストフェル・バンドーン マクラーレン・ルノー 1:35.977 6
20 18 ランス・ストロール ウィリアムズ・メルセデス 1:36.437 7

コンディション

天気晴れ
気温23℃
路面温度38℃

セッション概要

グランプリ名 F1ロシアGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ソチ・オートドローム
設立 2014年
全長 5872m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1ロシアGP特集

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