ホンダF1、旧型PUへのロールバックにも関わらず「決勝に向けて手応えあり」と強調

ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクター、2018年F1中国GPにてcopyright Honda

29日土曜に行われたF1第16戦ロシアGP予選セッションを終えて、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが一日を振り返り、決勝に向けての抱負と見通しを語った。

トロロッソ・ホンダ勢は今週末、改良型エンジン”スペック3″を投入し初日セッションに臨んだが、実際の走行を行う中でキャリブレーションや車体への設置など幾つかの点で課題が露呈。2日目を前に旧型のスペック2に戻す事を決断した。

エンジンそのものの性能は大きく改善しており、ブレンドン・ハートレーは「ホンダの新しいPUが速さを増している事に疑問の余地はないよ」と主張。それだけに旧型で日曜の決勝を迎えるのは残念だが、田辺は次週に控える日本GPまでに完全な状態に仕上げると約束する。

エンジン交換に伴いトロロッソ・ホンダの2台には規約に則りグリッド降格が科せられるため、チームは予選ではなく決勝レースにフォーカスして走行プログラムを計画。レースペースを重視したマシンのセットアップに取り組んだ。

予選ではブレンドン・ハートレーのフロア左後方部分が破損するトラブルが発生。簡易的な修復を施した後タイム計測に向かったが、セルゲイ・シロトキン(Williams)のスピンによって発生した黄旗の影響により計測を断念。16番手でQ1敗退を喫した。ピエール・ガスリーは13番手でQ1突破を果たすもQ2ラウンドでは不要な走行を行わず、ノータイム13番手で予選を終えた。

週末の内容を振り返った田辺は、エンジンのロールバックによるネガティブな影響は限定的だとして、依然として決勝に向けて手応えを感じていると述べた。降格ペナルティにより、二人のドライバーは決勝レースをグリッド後方からスタートする事になる。

決勝に向けて手応えを感じている

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

昨日のFP1とFP2の走行を通して、新スペックのパワーユニットのパフォーマンスについて良い手応えを得ることができました。一方で、実戦投入に向けてはPUのマッピングや車体とのマッチングなど、まだいくつか調整を必要とする部分を確認したため、今日と明日のセッションには使用せず、前戦までのスペックに戻す決定をしました。次戦の鈴鹿までには十分な煮詰めを行い、新スペックのPUとともに臨みたいと思っています。

パワーユニットの載せ替え作業が続いた事もあり、今週末はトロロッソ・ホンダのメカニックとエンジニア達は非常に忙しい週末を過ごしています。本日のセッションは普段よりもロングランにフォーカスしたプログラムでしたが、昨日と同様にマシンの感触は悪くありませんし、明日に向けて良い手応えを感じています。


ポールポジションはメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。2番手にはルイス・ハミルトンが続き、シルバーアローが最前列を占拠。3番手はスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルという結果となった。

2018年F1第16戦ロシアグランプリ決勝レースは、日本時間9月30日(日)20時10分から行われ、1周5872mのソチ・オートドロームを53周する事で勝敗を決する。

F1ロシアGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了