セルジオ・ペレスのF1シート喪失条件に関する噂、判定タイミングと基準
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少なくとも2025年末までのレッドブルとの契約(1年のオプション付きの1年契約)を持つペレスが、その満了を待たずにシートを失うとすれば、それを可能にするのは、いわゆる”パフォーマンス条項”だ。
蘭RacingNews365によるとペレスの契約にあるパフォーマンス条項が有効となる条件は2つあるという。
1つはシーズンの前半終了を告げるベルギーGP終了時点で僚友マックス・フェルスタッペンとの差が101点以上である場合、もう一つはフェルスタッペンよりもランキングが6つ以上下回った場合だという。
信憑性については何とも判断し難いが、この情報が正しいと仮定して以下、話を進めてみよう。
イギリスGP前の段階でフェルスタッペンは237ポイント、ペレスは118ポイントを獲得しており、その差は既に119点に達している。つまりペレスは、ベルギーGPまでの残り3戦でフェルスタッペンより19点以上多くポイントを稼がなければならない。
例えばフェルスタッペンが残りの3レースで全て2位となり、ペレスがその全てでトップチェッカーを受けたとしても、フェルスタッペンが3戦全てでファステストラップを刻むとパフォーマンス条項の発動条件を満たしてしまう。
次にランキング条件を検討してみる。
フェルスタッペンとペレスはイギリスGP前の時点で順位が4つ離れている。つまり残り3戦でもう2つ順位が広がればアウトという状況だ。
ランキング2位につけるランド・ノリス(マクラーレン)は、残り3戦全てで優勝+ファステストラップを刻んだとしても首位の座を奪うことはできない。従って、フェルスタッペンの順位が下がる可能性はないため、ペレスが順位を下げるシナリオについてのみ検討すればよい。
ペレスの背後にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とジョージ・ラッセル(メルセデス)がそれぞれ6点差と7点差で続いている。
ラッセルはポールポジション、ピアストリは5番グリッドからイギリスGPをスタートする。一方のペレスは19番グリッドに着く。例えば3者がスタートポジションでフィニッシュした場合、ペレスはランキング7位に後退し、パフォーマンス条項の発動条件を満たすことになる。
いずれの条件についても現時点で既に、ペレスが回避できる可能性はかなり低いことが分かる。
同メディアの報道によると、レッドブルがペレスに成績向上を求める意向を伝えたのは今週末に先立ってのことだという。
仮にパフォーマンス条項の発動条件が先の通りであるとするならば、条件を回避できる望みがほとんどない状態になった後に、成績向上を求めることの意義が見えてこない。伝えるならばもう数戦前が適切なのではないだろうか。