フェルスタッペンを巡り再び緊張悪化か、引き抜き狙うウォルフに噛み付くホーナー
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マックス・フェルスタッペンの2025年のF1シートを巡り、犬猿の仲であるレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とメルセデスのトト・ウォルフ代表の間の緊張が再び高まっている。
グランドエフェクトカー規定の導入以降、チャンピオンシップで直接的に争う事がなくなったため、両者の緊張関係は沈静化していたが、史上最高のドライバーの一人との契約を巡り、状況に変化が生まれつつある。
ルイス・ハミルトンが2025年に向けてフェラーリと契約を締結した事でウォルフは、その後任として3度のF1ワールドチャンピオンにラブコールを送り続けている。
ウォルフは当初、レッドブルが最速のクルマを持っている以上、フェルスタッペンが今季末を以てチームを去る可能性に懐疑的な見方を示していたが、メルボルンではフェルスタッペンがハミルトンの後任第1候補だと明言した。
英「The Race」によるとフェルスタッペンが今季4勝目を飾ったF1中国GPでのレースを経てウォルフは「ドライバーの移籍に関わる要因は非常に多い」とした上で、必ずしも「最速のクルマ」だけが、決断の理由になるわけではないと主張した。
「例えば、単純な考え方の持ち主にとっては、それが今のチームに留まる唯一の理由かもしれない。だが、他の要素も考慮する人はもっと深く検討するかもしれないし、マックスはもっと深みのある人間だと思う」とウォルフは語る。
「我々は彼を説得できるだろうか?思うに説得は問題じゃない。マックスは誰よりもモーターレースを知っている。彼は自分にとって良いと思う決断を下すだろう」
「いくつかの要因が関係していると思うが、ドミノ倒しの引き金を引くのは彼だ。誰もが彼がどうするのかを待っている」
また、2年後に導入される次世代パワーユニットの開発状況に触れて「我々は2026年に向けて非常に良い状況にある。バッテリーと燃料に関して設定した目標に対して大きな望みを持っている」とも語った。
ウォルフの発言についてホーナーは「契約というものはただの紙切れではない。彼は2028年末まで我々と契約している」と強調すると共に、ウォルフは獲得する事ができないドライバーを追い求めるより、クルマの競争力を改善する事に集中すべきだと「強く非難」した。
「トトが抱えている問題(競争力不足)が、彼のドライバー(ハミルトンとラッセル)にあるとは思わない。獲得できないドライバーではなく、彼には他に焦点を当てるべき要素があると思う」とウォルフは語った。
フェルスタッペンに残留を明言して欲しいか?と問われるとホーナーは「彼は何度そう言えば良いんだ。彼は何度もそう言っている」と答え、次のように続けた 。
「噂を作り出すための意図がある事もあると思う。我々は現代のF1において、メルセデスを上回る優勝回数(レッドブル:117勝、メルセデス:116勝)を誇っているし、チームは順調だ。一体どうしてこのチームを離れたいと思うだろうか?」
「メルセデスは現在、カスタマーチーム(マクラーレンとアストンマーティン)に遅れを取っているサードチームだ。時間を使うなら、ドライバーマーケットよりチームに集中した方が懸命だろう」
「マックス・フェルスタッペンが来年、どこにいるのかについて曖昧なところはないと断言できる」