リカルドの「2025年レッドブルF1復帰説」再び、ペレスがシート喪失の可能性に直面との報道

ダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)とセルジオ・ペレス(レッドブル)、2024年F1イギリスGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

契約延長発表から4レースを経て、セルジオ・ペレスが再びシート喪失の危機に直面しているとの憶測が強まり、ダニエル・リカルドがその後任の最有力候補に挙げられている。

マックス・フェルスタッペンの来季以降のチームメイトが発表されたことで、注目はレッドブルから姉妹チームへと移った。リカルド残留か、それともリアム・ローソンの昇格か。それがここ数週間のトピックだった。

そしてそれはオーストリアGPを前に、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが早期のローソン起用を主張したことで一気に注目を集めた。これはリカルドのキャリア終焉の可能性を意味するものだった。

移籍市場に驚きの展開

ところが、独auto Motor und SportはイギリスGPの初日を迎えた5日(金)、RBの来季シートはローソンで確定だとしつつも、レッドブル上層部からの情報として、リカルドにはまだフェルスタッペンの隣のシートを得るチャンスがあると報じた。

周知の通り、レッドブルが発表したペレスの新たな契約は2年ではなく1年のオプション付きの単年契約で、それには「厳しいパフォーマンス条項」が存在すると見られている。

報道によると、8度のグランプリウィナーがイギリス、ハンガリー、そしてスパのサマーブレイク前最終3戦で好成績を収め、ペレスが大幅に改善しない場合、2025年に向けてリカルドがペレスのシートを奪う可能性があるとされる。これについてマルコは「夏休みまでにもっとハッキリするだろう」と含みを持たせたという。

RBのピーター・バイエルCEOは今年8月に、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とマルコ、そしてRBのチーム代表を務めるローラン・メキーズを交えてドライバーラインナップに関する話し合いを行う計画だとしている。

これを単なる憶測で片付けられないのは、同メディアがマルコと太いパイプを持っているためだ。最終的な結末はさておき、レッドブルがペレスに対するプレッシャーを強めていることは確かだろう。

ペレスが最後にトップ5フィニッシュしたのは第6戦マイアミGPだ。その時点でペレスはフェルスタッペンと33ポイント差のランキング2位につけていたが、以降は8位が2回、7位が1回、そしてリタイヤが2回と低迷しており、予選Q3に進出したのは僅か1度に留まる。

結果、この間に積み重ねたポイントは僅か14点に過ぎず、ランキングでも5位までに後退し、チームメイトとの差は119ポイントにまで拡大した。

なお英AUTOSPORTは本報道の翌日、イギリスGPの翌週木曜にローソンがフィルミングデーの一環としてシルバーストンでRB20をドライブすることに触れ、ペレスがシートを喪失した際の後任候補はリカルドではなくローソンとの見解を報じた。

なぜ角田裕毅でないのか?

ペレスが新たな契約に値するほど活躍できていないことに疑いはない。しかしながら、そこで後任候補に挙がるのが角田裕毅でないのは何故なのか?

確かにここ数戦のリカルドは調子を上げてきている。角田裕毅はカナダGP以降の3戦でノーポイントに留まっているが、リカルドは2度の入賞で計6ポイントを持ち帰った。

角田裕毅がレッドブル上層部から高く評価されていないことは明白だ。ここ1年ほどの活躍は目覚ましく、傍から見ればそのパフォーマンスは昇格に値するものであったと言えるが、一度たりとも真剣な候補として取り沙汰されていない。

一つには、経験豊富なペレスでさえ扱いに苦戦するレッドブルのマシンに対応できるのかという疑問があるのかもしれない。または、態度や言動など、コース外での要素が上層部の求めるものに一致していないのかもしれない。

いずれにせよ、報道が事実であるとすれば、他チームへの移籍の可能性を除外するリカルドにとって、F1キャリアを継続するための唯一のチャンスはレッドブル昇格ということになるが、今シーズン全体を通しての彼の成績はそのチャンスを得るに相応しいとは言い難い。

であればこそ、そこで候補として名が上がるべきはやはりカルロス・サインツ(フェラーリ)であるわけだが、auto Motor und Sportによるとトロ・ロッソ時代の軋轢から、サインツがレッドブルでフェルスタッペンのチームメイトになる可能性はないという。

フェルスタッペンとサインツはF1ルーキー時代にトロロッソでチームメイトだった。最近はラリー仲間として上手くやっているようだが、広く知られているように当時、2人の父親はチーム内に緊張をもたらした。

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