ルノー、F1タイトル獲得に向けてフォーミュラE撤退を決断。企業連合のシナジー効果をレース活動にも適用
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ルノーは、2018年7月のシーズン4の終了を以てFIAフォーミュラE選手権から撤退することを明らかにした。大手自動車メーカー日産がルノーのエントリー枠を引き継ぎ、日本メーカーとして初めて同EVカーレースに参戦する。ルノーe.damsは3シーズン連続でタイトルを獲得した強豪。シニア・マネージャーに元F1チャンピオンのアラン・プロストを要する。
ルノーはフォーミュラ1世界選手権にリソースを集中し日産が電気自動車レースを担当、ルノー=日産グループ全体で資源配分を最適化する。フォーミュラEでルノーが培った経験・ノウハウ・開発知識はすべて日産に引き継がれ、円滑な移行のために協力が行われる。
ルノーグループのティエリー・コスカス営業兼マーケティング担当上級副社長は、フォーミュラEの撤退によってF1でのタイトル獲得に一歩前進すると強調する。ルノーは2020年までの選手権制覇を長期的目標として掲げており、来シーズンは定期的な表彰台を目指している。
フォーミュラEを引き継ぐ日産は、顧客利益に直結するハイパフォーマンスEVとエネルギーマネジメントの技術開発及びノウハウ獲得を目論む。得られた知見はルノー・日産・三菱連合全体で共有される。同連合は、2017年1-6月期の世界販売台数が526万8079台と前年同期比7%増を達成、独フォルクスワーゲングループを上回り世界販売首位を記録した。
2022年までに16年比40%増の1400万台の販売を目標としており、シャシー及びパワートレイン等の広範な分野で強力な共通化を推進、EV領域での主導権を握ろうとしている。”シナジー効果”の強調はモータースポーツ分野にも及び、F1でのフォーミュラEで培われた経験とデータは、ブランドの枠組みを越えて共有される事になる。