ルノーF1、メルセデスに類似のレーシングポイントF1マシン「RP20」を巡り正式抗議
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ルノーF1チームは第2戦シュタイアーマルクGP決勝レースを終えて、セルジオ・ペレスとランス・ストロールがドライブしているレーシングポイントF1チームの2台のマシンを巡って国際自動車連盟(FIA)に正式に抗議を申し立てた。
レーシングポイントの2020年型F1マシン「RP20」は、2019年のチャンピオンマシンとの類似性の高さから一部で「ピンクのメルセデス」と呼ばれている。既に2月のバルセロナテストの時点でパドックの論争の的となっていたが、シーズン開幕は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で6月に延期された。
© Racing Point、レーシングポイントRP20、F1シュタイアーマルクGP決勝レースにて
F1シュタイアーマルクGPのレーススチュワードはチェッカーフラッグから2時間半程を経て、レーシングポイントの2台のF1マシンに対して、ルノーF1チームから正式な抗議申立があった事を明らかにした。FIAはレーシングポイントの代表者に対して、現地19時20分に状況を報告するよう指示を出した。
ルノーは声明の中で「ルノーDPワールドF1チームはレーシングポイントRP20の合法性を明確にするため、イベントのスチュワードにリクエストを提出した。スチュワードが決定を下すまでこの問題についてこれ以上コメントする事はない」と説明しており理由については言及していないが、メルセデスの昨季型マシン「W10」との類似性に関するものと考えられる。
FIAの公開文書によるとルノーは抗議の根拠の1つに、特定パーツ類の自社設計を義務付けたFIA-F1スポーティング・レギュレーション付録6第1条を上げている。つまりルノーは「レーシングポイントは自ら設計した要素でないものを使用している」と疑っているわけだ。
なおレーシングポイント自身は以前、「W10」のデザインを踏襲した事を認めているが、レギュレーション違反に関しては全面的に否定している。
両者には因縁がある。昨年の日本GPではレーシングポイントがルノーのブレーキシステムに抗議。2台には失格処分が言い渡された。
シュタイアーマルクGPでのレーシングポイント勢は、セルジオ・ペレスとランス・ストロールが共に8位のダニエル・リカルドを上回り各々6位と7位でフィニッシュ。大量ポイントを持ち帰ったが、仮に失格処分が下されればポイントは剥奪される。