レッドブルF1、フェルスタッペンDNFの原因特定…一朝一夕の解決は困難か
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レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1第3戦オーストラリアGPでマックス・フェルスタッペンの2位表彰台を奪った燃料漏れの原因を突き止めた事を明らかにした。だが、解決は簡単ではないようだ。
フェルスタッペンはアルバート・パーク・サーキットでのレース終盤に向け、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に次ぐ2番手を走行していたものの燃料漏れが発生。チームからの無線での指示に従い、ターン2の脇にクルマを停め、開幕バーレーンに次ぐ今季2度目のリタイヤを余儀なくされた。
レース後、クリスチャン・ホーナー代表は「タンクの外側にある燃料システムの問題が原因のようだ」と説明。不具合を起こしたパーツは詳細な調査と分析のために栃木県にあるホンダのファクトリー、HRD Sakuraへと送られた。
レースから3日を経てマルコは独Speedweekとのインタビューの中で「マックスのクルマの燃料漏れの原因を明らかにすることができた」と述べ、問題を特定した事を明かした。だが、2週間に控える次戦エミリア・ロマーニャGPまで解決できるかどうかについては明言を避けた。
マルコは「この問題は非常に複雑だ。バーレーンの時とは全く異なる種類の問題だ」とだけ説明した。シールや燃料ラインの材質を交換するだけで解決できる問題ではなさそうだ。
F1では今季よりバイオエタノールの含有比率が引き上げられた、いわゆるE10燃料が導入された。アルコール燃料の使用に際しては金属の腐食や樹脂の膨潤への対処が必要だ。燃料漏れの引き金となり得る。
だがこれは広く知られた既知の問題であり、特にアルコール燃料の導入で先行するインディカーにもエンジンを供給するホンダがこの分野での膨大な知見を持ち合わせているであろう事は想像に難くない。
ホンダと共にドライバーズ・チャンピオンシップを制した昨年型のRB16Bとは異なり、今季のRB18の信頼性不足はグリッドの中でも飛び抜けており、そのリタイヤ率は50%(開幕戦でのダブルDNFと第3戦での計3回)に達している。
選手権リーダーのルクレールとの差は46ポイントにまで拡大した。フェルスタッペンはルクレールに追いつくには「45戦が必要」などとして、3戦を終えた時点で早くもタイトル防衛をほぼ諦めている。