更なる中傷が浮上したピケ…騒動への沈黙、フェルスタッペンへのブーイングについて語るレッドブルのホーナー
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ネルソン・ピケに関する新たな中傷が浮上する中、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表がイギリスGPでのマックス・フェルスタッペンに対するファンからのブーイング、ピケの人種差別発言に関して直接的に支持を表明しなかった理由について語った。
F1スペインGPのフリー走行でレッドブルRB18をドライブしたユーリ・ビップスは、ライブストリーミング中に人種差別用語を使ったために解雇された。奇しくもこの日は、ネルソン・ピケがルイス・ハミルトンに人種差別表現を使ったとして、F1界から相次いで批判の声が上がった日でもあった。
ピケ騒動に関して直接的に声明を出さなかったレッドブル
渦中のピケの娘ケリーはフェルスタッペンのパートナーであり、広報担当が対応に憂慮した事は疑いない。レッドブルはビップスの解雇を公表した声明の最後に、わざわざ1段落あけて「如何なる種類の人種差別も容認しない」と添え、これを強調した。
シルバーストン・サーキットでSky Sportsのインタビューに応じたホーナーは、ピケ騒動に関して直接的な声明を出さなかった経緯を次のように説明した。
「当然の事ながら、ネルソンの発言には絶句したよ」
「その前の週末に若手ドライバーの一人が人種差別発言で問題を起こしたため、我々は決定的な行動に移り、即座に彼をチームから外した。そうしたらこの話(ピケの一件)が出てきたんだ」
「我々はユーリを解雇するという行動を通じ、如何なる種類の人種差別や差別も容認しないという、非常に強い声明を出したと感じている」
ホーナーは更に、レッドブル及びフェルスタッペンが「ルイスを全面的に支持している」とした上で「時として行動は言葉よりも雄弁だ」と語った。
「ユーリに対して我々が取った行動は非情なものだったが、あれは我々のポリシーに沿ったものだった」
追加浮上したピケの更なるハミルトン中傷
ハミルトンに対する人種差別表現が明らかとなった後、昨年に収録された同じインタビューの中でピケがこれとは別に、ハミルトンをホモフォビア(同性愛嫌悪)的な言い回しで貶していた事が明らかとなった。
ブラジルのGrande Prêmioによるとピケは、かつてのライバル、ケケ・ロズベルグについて質問された際、その息子ニコに触れ、2016年にハミルトンがロズベルグにタイトル争いで破れたのは他の事にかまけていたためだと、人種差別用語と露骨な同性愛嫌悪表現を交えて語った。余りに攻撃的な内容であるため、具体的な表現については詳細を差し控えたい。
ピケがこの手の発言を口にするのは決して目新しいことではない。
1981年、1983年、そして1987年と3度に渡ってF1チャンピオンに輝いたピケは現役当時、ブラジルの同胞、アイトン・セナをけなし続け、証拠もなくその性的指向に疑問を呈し、一昨年もセナに対して同性愛嫌悪表現を使っている。
フェルスタッペンにブーイングを飛ばした英国GPの観客
ハミルトンとの接触事故から1年を経て再び足を踏み入れたシルバーストンで、フェルスタッペンはファンから温かい歓迎を受けることはなかった。イベント開幕の前日夜、今季のポイントリーダーはグランドスタンドからブーイングを受けた。
ファンは1年前のクラッシュと、物議を醸したアブダビGPでのフィナーレを決して忘れてはいないようだ。
ホーナーはブーイングそのものについて「決して良い事ではない」としながらも、英国のF1ファンがハミルトンを応援するのは当然のことであり、何も問題はないと語った。
「ルイスがここで大きなサポートを受けるのは当然だ」とホーナーは語った。
「来週末は我々にとってのホームレースとなるオーストリアGPだし、オランダでは3万人の人ファンから盛大なサポートを受けられると思うし、スポーツはそういうものであり、これが競争というものなんだ」
「どのドライバーに対してであってもブーイングを聞くのは決して良いことではないし、イギリスGPの観客は大抵の場合、全てのドライバーを評価しているから珍しいことではあるが、彼はそれを受け入れている」
「ルイスは彼らにとってのお気に入りのドライバーだし、私としては何の問題もない」