”手の内”にありながらピアストリを逃したレッドブルF1、後悔を認めるホーナー代表

アルピーヌF1ジュニアのオスカー・ピアストリCourtesy Of Alpine Racing

レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表はポッドキャスト「Beyond the Grid」の中で、オスカー・ピアストリを「非常に有能」と評価し、若手育成プログラム契約を結ぶチャンスを逃した事を後悔していると認めた。

F1の登竜門に位置付けられる直下のシリーズを2連覇する前、ピアストリはホーナーが設立したジュニア・フォーミュラチーム、アーデンに所属し、2017年と2018年に同チームからイギリスF4とフォーミュラ・ルノー・ユーロカップに参戦していた。

ホーナーは「オスカーはF4とフォーミュラ・ルノー時代にアーデンに所属していた。素晴らしい才能がある事は明らかだった」と語った。

「レッドブルは当時、彼を検討する機会があったものの、その選択肢を採らなかった。私はそれを後悔している」

「彼はF3やF2で驚異的な成果を達成した」

21歳のオーストラリア人ドライバーは2019年から2021年にかけて、フォーミュラ・ルノー、FIA-F3選手権、そしてFIA-F2選手権と、3年連続でトップジュニア・フォーミュラを制した。

F3(GP3)とF2(GP2)を連覇したのは過去にルイス・ハミルトン、ニコ・ヒュルケンベルグ、シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセルの4名しかおらず、ジュニアシリーズ3連覇は史上初の快挙だった。

にも関わらず、アカデミー契約を結んでいたアルピーヌはF1シートが乏しく、ピアストリは1年のリザーブドライバー生活を余儀なくされ、挙げ句にはその状態が今後数年先まで続きかねないとの懸念を抱くに至った。

事務対応での数々の不手際を含め、アルピーヌに対する信頼は揺るぎ、最終的には契約承認委員会(CRB)の裁定を経て、ピアストリはランド・ノリスのチームメイトとしてマクラーレンから来年のF1にデビューする事が決まった。

「私は当事者ではないため、(アルピーヌとピアストリとの間で)何が約束され、何が反故にされたのかを判断するのは難しい。おそらくは幾つかの理由に依るのだろうが、本来であれば起こり得ない事が起きた」とホーナーは語った。

マクラーレン及びアルピーヌとの契約問題は、モータースポーツ界の今季最大のニュースと言えるほどに高い関心と注目を集め、ピアストリに対する期待を更に高める結果となった。

ホーナーは「彼が対処しなければならない唯一の問題は、彼に対する期待が非常に大きくなることだ」と述べ、2023年のF1ルーキーイヤーは過酷な道のりになるだろうと警告した。

「彼はランド(ノリス)を相手に成果を出さなければならないが、それは並大抵のことでは務まらない。だがこのビジネスでは、沈むか泳ぐかのどちらかしかない」

「彼は非常に有能なドライバーだ。きっと上手くやってくれることだろう」

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