RB20の車高調整装置、パフォーマンスへの影響や如何に…フェルスタッペンとペレスが疑念に反論
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レッドブルRB20に搭載された車高調整システムについてマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは、クルマが完全に組み立てられた後はそれを使用できないため、何らのアドバンテージも得ていないと主張した。
予選と決勝で各々、理想的なライドハイトを実現し得るとして、複数のライバルチームがパルクフェルメ違反疑惑の目を向けたこのデバイスについてレッドブルは、その存在を認めつつも、「クルマが完全に組み立てられ、走行可能な状態になると、その装置は使用できなくなる」と説明した。
この疑惑は、レッドブルがFIAのサーバーにアップした設計仕様書をライバルが精査したことで浮上した。フロントフロア構造を含む幾つかのパーツは「オープンソース・コンポーネント」に指定されており、全てのチームが自由にアクセスできる。
英Sky Sportsによると、デバイスがパフォーマンスに影響を与えたかとの質問に対してフェルスタッペンは「ない」と否定し、騒動を巡るチーム内での反応については、「特に何もないよ。あれはオープンソースだから、誰でも見られるものだしね」と答えた。
「僕らにとっては、パーツが取り外されている時に簡単に調整できる便利なツールに過ぎないんだ。クルマが組み立てられた後は使えないから、影響は全くない」
「何も心配していないし、兎に角、楽しんでベストを尽くすだけだ」
ペレスもまた、「それを使って何かをしたということはないし、実際、それについて話し合ったこともない。搭載されているのは知っていたけど、(クルマが組み立てられた後は)使えないんだ」と語った。
秋休み前のシンガポールGPを経て、コックピット内の装置を使ってレッドブルが、フロア前方の「ビブ」あるいは「Tトレイ」と呼ばれる部分の高さを予選後に変更しているのではとの疑惑が持ち上がった。
フロアと地面との間のクリアランスを調整することができれば、チームは搭載される燃料量が異なる予選とレースで各々、理想的なクルマを追求することができる。
燃料が軽い予選では、車高を低くして空力パフォーマンスを最大化することができ、燃料が重い決勝では、車高が低くなりすぎるのを防ぐことで、プランクの過度な摩耗を予防したり、縁石を使いやすくしたりすることが可能となるが、これはパルクフェルメ規定により禁止されている。
疑惑を経てレッドブルは、国際自動車連盟(FIA)との協議を経てクルマに変更を加えた。
FIAは今週末のアメリカGPより、「フロントビブのクリアランスが容易に変更できないよう、手続き上の調整を実施した」と発表したが、同時に、これまでのところ、如何なるチームに関しても、このようなシステムを違法に使用しているという明確な証拠はないとしている。