RB、不発のモンツァを経てバクー市街地コースで新型フロアを継続

ファエンツァにあるRBのファクトリーでF1シミュレーター作業に取り組む角田裕毅、2024年5月13日(月)Courtesy Of Red Bull Content Pool

アップグレードパッケージを使った角田裕毅が予選・決勝ともに結果を残せなかったイタリアGPを経てRBは、今週末のアゼルバイジャンGPで新型フロアを2台に投入し、最適化を目指したテストプログラムに取り組む。

伝統のモンツァでRBは、床下のプロファイルを変更した新型フロアボディ、気流改善のために形状を見直したヘイローフェアリング、そしてドラッグ低減のために周辺ジオメトリに手を加えたリアビューミラーを角田裕毅の22号車にのみ投入した。

しかしながらクルマの競争力を引き出すことはできず、角田裕毅は予選・決勝ともに、旧スペックを使うダニエル・リカルドのパフォーマンスに及ばなかった。曰く、「話にならない」ほどクルマをドライブするのは難しく、シミュレーションとも相関が取れていなかった。

2台揃ってノーポイントに終わり、コンストラクターズ選手権6位争いでライバルの接近を許したモンツァを経てRBは、バクー市街地コースでリカルドにも新型フロアを搭載し、その性能を引き出すことを目的としたテストに取り組む。

テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「今回のレースでは通常のセットアップやタイヤ作業に加え、モンツァで初めて評価した新しいフロアパッケージの最適化に向けた重要なテストをいくつか予定している」と説明した。

「ミッドフィールドの争いは依然としてかなり接近している。両ドライバーが揃ってポイント獲得を争えるよう、我々はクルマから最大限の性能を引き出すことに集中していく」

リザーブ・ドライバーを務めるリアム・ローソンの契約解除条項期限の関係から、今週末のレースが自身の将来を決定する最後の機会となり得るリカルドは、新しいパッケージを楽観的にとらえている。

「バクーは他のストリートサーキットと同じように、素早くクルマの限界を見極める必要がある。ファエンツァのチームは懸命に取り組んでくれているし、新しいフロアを試すのを楽しみにしている。厳しい戦いにはなるだろうけど、ポイントを持ち帰る自信はある」とリカルドは語った。

バクー市街地コースは最高時速345キロを超えるロングストレートを備える一方、20のコーナーの大部分は低速で、ブレーキ性能とトラクション性能が要求されるという相反する側面を持つ。

また、特に旧市街を含むセクションはコースと壁との距離が近く、クラッシュせずに限界まで攻め、好成績を収めるためには、ドライバビリティに優れたクルマが求められるため、モンツァで抱えた角田裕毅のクルマの問題点を解決することは欠かせない。

バクーについて角田裕毅は「特に最終右コーナーからターン1まで続く長い高速区間と、旧市街を通るすごくタイトな区間の組み合わせが独特で、個人的にはバクーの市街地コースは好きです」と語った。

「それに伝統的に僕らのクルマはこのコースとの相性が良く、過去には2度に渡ってポイントを獲得してきました」

「壁が近いので正確さが求められますが、今年は壁の一部が少し後退し、クルマを撤去するための開口部が追加されるため、セーフティーカーが出る確率は少し減るかもしれません」

「それでもシンガポールのようにギアチェンジの回数が多いのが特徴で、忙しく走り続けるようなサーキットですね」

F1アゼルバイジャンGP特集

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