激震の同士討ち「やられた…」と叫んだハミルトン、ラッセルとのF1カタール事故を釈明・謝罪
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F1第18戦カタールGPの決勝1周目に発生したチームメイトであるジョージ・ラッセルとのセンセーショナルな接触事故について、早々にレースを終えたルイス・ハミルトン(メルセデス)が釈明、謝罪した。
タイヤの構造に関わる安全上の懸念事項により異例のタイヤ制限ルールが採用されたロサイル・インターナショナル・サーキットのレースは、1周目の衝撃的なアクシデントによって更に大きな注目を集める事となった。
ラバーの載った事で高いグリップが期待できる奇数列3番グリッドからスタートしたハミルトンは、力強い蹴り出しでもって一気に2番手ラッセルに接近。ターン1に向けてサイド・バイ・サイドとなった。
ハミルトンはチームメイトよりもグリップ力が高いソフトタイヤを履いていた。7度のF1王者は事前に、スタートでラッセルに先行できる可能性についても、ターン1でスリーワイドになる可能性も承知していた事だろう。
結果的にはそこでアクセルを戻すべきであったが、ハミルトンはアウト側からチームメイトに仕掛けた。イン側にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抱えたラッセルに行き場はなく、接触によりホイールを失ったハミルトンはグラベルへと吸い込まれていった。
スピンを喫してコースオフしたラッセルは、フロントウイングの交換を余儀なくされ最後尾に転落したが、それでも終盤に向けてオーバーテイクを繰り返し、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を抑えて4位フィニッシュした。
Agony for Mercedes 😖
Hamilton is out of his car
Russell gets back to the pits for running repairs and comes back out in last place
⚠️ @astonmartin SAFETY CAR ⚠️#F1 #QatarGP pic.twitter.com/3TDtPVEn08
— Formula 1 (@F1) October 8, 2023
事故直後、ラッセルは放送禁止用語を使って「どうなってるんだ!2戦連続だぞ!」と声を荒らげて不満を爆発させ、前戦鈴鹿での接触スレスレのチームメイトバトルに言及した。グラベルに埋まったハミルトンは「チームメイトにやられた」と呟いた。
僅か数百mでレースを終えたハミルトンは英「Sky Sports」とのインタビューに応じ、「あの瞬間は何が起きたのか良く分からなかった。でも後ろから叩かれた感触があったのは確かだ」と事故を振り返った。
「でも、ジョージはおそらく、どこにも行き場がなかっただろうと思うし、あれは不運な状況に過ぎない」
「つまり、年長者として喜んで責任を取るよ」
当初は自身に非はなく、レーシングアクシデントとの見解を示していたハミルトンだが、後に映像を見直して考えを改め、SNSに「リプレイを見た。あれは100%僕のミスだ。全ての責任は僕にある。チームとジョージに謝罪したい」と書き込んだ。
I’ve watched the replay and it was 100% my fault and I take full responsibility. Apologies to my team and to George.
— Lewis Hamilton (@LewisHamilton) October 8, 2023
またチェッカーフラッグ後に直接、ラッセルに会いに行き「今日はごめん、あれはお前のせいじゃない」と面と向かって謝罪した。
Actions speak louder than words. pic.twitter.com/aN33QJLvtD
— Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team (@MercedesAMGF1) October 8, 2023
2023年F1第18戦カタールGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季14勝目をポール・トゥ・ウインで飾った。2位はオスカー・ピアストリ、3位はランド・ノリスと、前戦日本GPに続きマクラーレンがダブル表彰台に上がった。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を舞台とする次戦アメリカGPは現地10月20日のフリー走行1で幕を開ける。