F1バルセロナテスト《5日目》総合結果：レッドブル・ホンダが遂に俊足を披露、2強に初トラブル！

Published：2019/2/27 02:24 Updated：2020/2/11 03:00

2019年F1バルセロナテスト5日目のセッションが26日(火)にスペインのカタロニア・サーキットで開催された。セッション開始時は気温7℃と寒かったものの、午後には15℃まで上昇し、照りつける日差しが路面を29℃まで温めた。

テスト後半初日を最速で締め括ったのは、マクラーレンF1チームのランド・ノリス。昨年まで在籍していた2度のF1王者フェルナンド・アロンソがコース脇で見守る中、上から2番目に柔らかいC4コンパウンドで1分17秒709を記録。だがその直後にトラック上で停止し本日2度目の赤旗。今朝はオイルリークのトラブルに見舞われていた。

とは言え、事実上のファステストはレッドブル・ホンダだ。ノリスよりも1段階硬いC3タイヤでアタックしたピエール・ガスリーは、1000分の6秒落ちの2番手タイムを獲得。仮に同じC4タイヤを履いていたとすると、1分16秒台に突入する計算となる。ガスリーはこの日一人で136周を走り込み、最多周回のハードワークをこなしただけでなく、本テストにおけるC3最速タイムを大きく塗り替えた。

開幕まで残されたテストは後4日。全10チームはギアを1段上げてセッションに臨んだ。王者メルセデスは先週までとは大きく異なる”新しい”W10を投入。先端が膨らんだノーズに、エンドプレートが外側へと湾曲したフロントウイング、フロアにサイドポケットにTウイング等、非常に大掛かりなアップデートを持ち込んだが、今季テスト初となる深刻なトラブルに見舞われた。

午前を担当したルイス・ハミルトンは83周を走り込んだものの、午後のバルテリ・ボッタスは僅かに7周。パワーユニットに油圧関連のトラブルが発生し、エンジン交換を余儀なくされた。チェッカーまで残り7分というところでコースインするも、事実上5日目のセッションの半分が失われた形となった。

奇しくも、メルセデスと同じようにテスト1で圧倒的な信頼性を誇っていたスクーデリア・フェラーリも初のマシンストップ。冷却システムに問題を抱えたため、確認作業のために多くの走行時間をロスし、午前を担当したシャルル・クレールはまさかの29周に終わった。午後にバトンを引き継いだセバスチャン・ベッテルは、穴埋めをせんとばかりに81周と大量周回。ダメージを最小限に抑えた。

今年ミッドフィールド争いを大いに楽しませてくれそうなアルファロメオはアントニオ・ジョビナッツィを起用。スーパーソフトに相当するC4コンパウンドで1分18秒589をマークし、午前の暫定トップを確保。最終的に自身のカーナンバーと同じ99周を走り込み、5番手タイムでマシンを降りた。

マシン開発の遅延によって大きく出遅れていたウィリアムズは、ジョージ・ラッセルが合計119周を走破。連日の100周超えに向けて好発進を切った。先週最も頻繁にトラブルが発生したハースも挽回ムード。ガスリーに次ぐ131周を走り込み、チームに大量のデータを持ち帰った。

F1合同テスト《5日目》総合結果

コンパウンドはC1からC5に向かって柔らかくなる。原則として柔らかいコンパウンド程、1ラップの速さが出せるが、寿命が短く安定した走行が難しいため、ロングランや空力・メカニカルテストには適さない。

Pos	Driver	Team	Time	Tyre	Laps
1	ランド・ノリス	マクラーレン	1:17.709	C4	82
2	ピエール・ガスリー	レッドブル・ホンダ	1:17.715	C3	136
3	ランス・ストロール	レーシングポイント	1:17.824	C5	82
4	セバスチャン・ベッテル	フェラーリ	1:17.925	C3	81
5	アントニオ・ジョビナッツィ	アルファロメオ	1:18.589	C4	99
6	アレックス・アルボン	トロロッソ・ホンダ	1:18.649	C4	103
7	シャルル・ルクレール	フェラーリ	1:18.651	C3	29
8	ケビン・マグヌッセン	ハース	1:18.769	C4	131
9	ジョージ・ラッセル	ウィリアムズ	1:19.662	C5	119
10	ダニエル・リカルド	ルノー	1:20.107	C3	77
11	バルテリ・ボッタス	メルセデス	1:20.167	C2	7
12	ルイス・ハミルトン	メルセデス	1:20.332	C2	83
13	ニコ・ヒュルケンベルグ	ルノー	1:20.348	C3	80

F1バルセロナテスト6日目のセッションは、27日(水)現地9時、日本時間17時からスペインのカタロニア・サーキットで開催される。