F1バルセロナテスト《3日目》総合結果:4度の赤旗…ホンダは快調に169周、やや後退強いられた跳馬

バルセロナテストを観戦するファンとレッドブル・ホンダRB16copyright Pirelli & C. S.p.A.

2020年F1バルセロナテスト3日目のセッションが2月21日(金)にカタロニア・サーキットで行われ、メルセデスAMGの2人が最も柔らかいC5コンパウンドを初めて履いてタイムシートの1-2を独占した。

午前を担当したボッタスは、自身が持つコースレコードに0.326秒と迫る1分15秒732を記録。午後を担当したルイス・ハミルトンがこれを上回ることはなかった。メルセデスは合計138周を走破。ボッタスは革新的ステアリング機構「DAS」を初めて試した。


© Getty Images / Red Bull Content Pool、ピットレーンからコースに出るレッドブル・ホンダRB16

レッドブル・ホンダ勢は午前をマックス・フェルスタッペンが、午後をアレックス・アルボンが担当し、トータル169周とこの日も大量に走り込んだ。両者はいずれも硬めのC2コンパウンドでタイムを計測。フェルスタッペンが8番手、アルボンが10番手タイムをマークした。曰く「文句なし」との事で、非常に順調にプログラムを進めている。

アルファタウリ・ホンダはダニール・クビアトがC4タイヤで5番手、ピエール・ガスリーがC2タイヤで9番手タイムを刻んだ。2段階異なるコンパウンドを履いた両者のタイム差は0.356秒であった。チームとしてはレッドブルの代わりにホンダエンジンの最適化作業を担当。フロアが破損するアクシデントによってガスリーの走行時間が失われた事もあり、合計周回数は120周に留まった。

セッションが開始された現地午前9時のコンディションは気温5℃、路面温度8℃と寒く、気候的には前の2日間と大差なかったが、それとは対照的にこの日はクラッシュやメカニカルトラブルによる赤旗が目立ち、レッドフラッグによる中断が4回に及んだ。

開始1時間30分のところでは、SF1000のステアリングを握るフェラーリのセバスチャン・ベッテルが、ターン10へと向かう際に徐々に失速。チームはエンジントラブルが原因だと発表。故障した個体は分析のためにマラネロへと送られた。

メカニックたちは昼休み返上でエンジンを交換し、午後イチに再びマシンをコース上に送り出した。最終的にベッテルは、合計100周を走り13番手タイムでクルマを降りたものの、2時間半のロスは決して小さくはない。来週以降への影響が懸念される。


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ランチブレイク直前には、ウィリアムズのニコラス・ラティフィがエンジントラブルのためにピットストレート終端でFW43を停め、この日2度目の赤旗が振られた。こちらもPU交換を実施してコースに復帰したが、トータル72周の15番手に終わった。

昼休みを終えて午後のセッション開始から30分が経過したところでは、ハースのケビン・マグヌッセンがターン7の立ち上がりでリアを失い、その次のコーナーの外側のウォールに車体右リアから激突。この日3度目のレッドフラッグが振られた。チームはパンクが原因だと発表した。

マグヌッセンが再びガレージから出てくることはなく、午前のVF-20を担当したロマン・グロージャンの48周に対してわずか4周を加えるにとどまり、ハースは合計52周と非常に厳しい状況で第一回テストを終える事となった。


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この日4回目の赤旗はルノーのダニエル・リカルドだった。黒塗りのR.S.20がセッション残り75分のところでストップ。電気系統のトラブルが疑われたがチーム側は「予防措置として停車した」と説明した。セッション最終盤の1時間で再びコースにカムバックし、93周を走り込んでタイムシート7位につけた。一方で、F1復帰に心はずませるエステバン・オコンは午前を担当し、76周を走行して3番手タイムを記録した。

今回のテストのタイムシート上位常連組となりつつあるレーシングポイントは、終日に渡ってランス・ストロールがRP20をドライブし、115周を走り込んで3番手タイムを残した。


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この日の個人最多周回数はアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィ。一人で152周を走り込んで、C5タイヤで1分17秒469の6番手タイムを刻んだ。

マクラーレン勢はドライバー毎に仕事を分担。午前を担当したカルロス・サインツは76周を走って11番手タイムをマーク。午後のランド・ノリスはブレーキにやや問題があったようで49周に留まり、14番手タイムでクルマを降りた。

2020年F1バルセロナテスト4日目のセッションは、4日間の休みを挟んで2月26日(水)現地9時、日本時間17時からスペインのカタロニア・サーキットで開催される。

F1バルセロナテスト《3日目》総合結果

Pos Driver Time Gap Tyre Laps
1 バルテリ・ボッタス
Mercedes
1:15.732 C5 65
2 ルイス・ハミルトン
Mercedes
1:16.516 + 0.784 C5 73
3 エステバン・オコン
Renault
1:17.102 + 1.370 C4 76
4 ランス・ストロール
Racing Point
1:17.338 + 1.606 C4 116
5 ダニール・クビアト
AlfaTauri
1:17.427 + 1.695 C4 62
6 アントニオ・ジョビナッツィ
Alfa Romeo
1:18.035 + 2.303 C5 152
7 ダニエル・リカルド
Renault
1:17.574 + 1.842 C4 93
8 マックス・フェルスタッペン
Red Bull
1:17.636 + 1.904 C2 86
9 ピエール・ガスリー
AlfaTauri
1:17.783 + 2.051 C2 59
10 アレックス・アルボン
Red Bull
1:18.154 + 2.422 C2 83
11 カルロス・サインツ
Mclaren
1:18.274 + 2.542 C2 76
12 ロマン・グロージャン
Haas
1:18.380 + 2.648 C3 48
13 セバスチャン・ベッテル
Ferrari
1:18.384 + 2.652 C3 100
14 ランド・ノリス
Mclaren
1:18.454 + 2.722 C3 49
15 ニコラス・ラティフィ
Williams
1:19.004 + 3.272 C3 72
16 ケビン・マグヌッセン
Haas
1:19.709 + 3.977 C2 4

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